鈴木一策『マルクスとハムレット』(近刊らしく亡霊ではない)


 『一海知義著作集』にはさまれていた『機』の最新号を読んでいたら、鈴木一策氏の『マルクスハムレット』(藤原書店)の近刊案内がでていた。鈴木氏とはある会合で同席したときに、このマルクスハムレットとの関係を拝聴して、えらく面白かった記憶が残っている。相当前のことでひょっとしたら前世紀のことかもしれないが。ようやく単著になって世にでるみたいで楽しみである。まだどこもネットでは予告していないみたいだけれども。


 マルクスシェイクスピアとの関係は、一部の研究者たちには長く研究の対象とされてきたようである。日本でもその関連書籍としては、岩井克人氏の『ヴェニスの商人資本論』、関 曠野『ハムレットの方へ』などがあるようである。実は岩井氏の本はこの巻頭にある同題名論文とキャベツ人形(そういえばこれっていったいどうなったのかなw)、パンダの親指(懐かしい)は読んでいないのである。後半の不均衡動学以下の論説はヴィクセル解釈としても今日のウッドフォード流の新ヴィクセル解釈の前振りとして読んでおいても参考になると思う。僕はいまは前半に興味がでてきたので鈴木氏や関氏の本とまとめて読むでしょう。いずれにしても鈴木氏の著作があのとき会合で聴いた雰囲気が再現されていれば非常に期待したい著作である。


 え? どんな雰囲気だったかって? えええっと‥‥あとで脳の中の亡霊に聞いておくとしようw