唐沢俊一他『反日マンガの世界』


 これ正確には雁屋哲の世界の方がいいよねえ。しかしなんで僕こんな本買ったんでしょ 笑)。唐沢氏のダメさ加減全般はこれは伊藤剛さんにまかせて、第1章はあまりに出来が酷い(それでも宮島理氏のは読める)。第2章以降では、七尾輝一氏の論説を読んで僕もこの雁屋哲氏の作品に少し興味を持った。実際に『週刊金曜日』なんか読まない人間の方がマンガ読みでも圧倒多数なので、そんなところに掲載されてるカルト?作品の批判よりも、この70年代の暴力物の紹介の方が読者としては面白い。あと参考になったのは韓国での嫌日流ものの紹介コーナーかなあ。もっと広汎な国を扱った方がいいと思うけれども、ベースになる情報や価値判断の基準が2ちゃんやアマゾンや利権化したと学会史観じゃあなあ。ついでにいうと韓流ブームはなかったみたいな記述よりもカルト化する韓流という方が面白い切り口だけれどもそれも情報と価値判断のベースがネットベースだと無理か。