率直な驚き。『ゴジラ』のトラウマを半世紀を超えて60年代生まれが悟る


 買い物ついでに、時間が短いのが幸いして、『クローバーフィールド』という映画をなんの予備知識もなく観る。近所のシネコンで、観客は平日の昼間にしては多目。


 率直に驚き、また複雑な感銘を得た。ネタばれになるので詳細は触れないが、まだ未見の人でSFやパニック映画が好きな人は絶対に映画館でこそ見るべき。たぶんDVDだとあのシリアスな臨場感はまったく伝わらない。最後のエンディングの音楽を最後まで聞き終えたことで、この映画のサブカル的な装いに身を隠した真摯なメッセージを確信した。半世紀を超えてそして製作の場所も越えて、最初の『ゴジラ』に込められたであろうメッセージ(いやトラウマ)が、僕のような完全な戦後世代(自分でこのような世代括りをいままでしたことがないが)に生々しく伝わった。そんな超越感がみなぎる映画だ。今年みた映画の中では個人的にベストである。


クローバーフィールド/HAKAISHA (竹書房文庫 DR 206)


(付記)検索したら観ると酔う人もいるんだ。車酔いするタイプだが気にはならなかったなあ。あ、あと映画は最後ぼ最後まで館内が明るくなるまで見た方がいいよ。


(付記2)
ここらへんが僕も同意する感想http://d.hatena.ne.jp/anutpanna/20080412#p3