和田秀樹『受験のシンデレラ』と「家族」「お金」のしがらみの断ち切り方


 映画では一瞬で映像処理されていた受験参考書やスケジュールの詳細がこの小説版では丁寧に解説されている。また映画では確か20いくつだった受験のためのアドバイス(これは東大受験だけではなく、というかあらゆる受験や勉強方法に利用できる)が4倍増で掲載。和田氏は小説もすらっと書けるんだなあ。


受験のシンデレラ (小学館文庫)

受験のシンデレラ (小学館文庫)


 この映画と小説のいいところは、どんなレベルでスタートしてもそのスタート時点の学力を把握すれば、あとは目的に合わせて短期間で勝負をかけるところ。時間管理法や記憶の重視、むだな「自分で考える」勉強法の排除、などを特徴としている点。それと誘惑の権化として主人公の母親がでてくるが、たぶん僕自身そうだったが、家族とのしがらみや金銭問題が、特に若いうちは足枷になる。この足枷を非情に断ち切ること(短期的な親不孝?に走ること)、金銭問題はいまでは大学進学に関しては低利で保証人なしでもローンが組めるので行きやすくなっていること、などが本書でも暗に示唆されているが、こういった点も重要である。


 例えば映画版で紹介した勉強法と、以下の深田萌絵の勉強法と「家族」のしがらみの断ち切り(深田の本では暗に示唆されているだけだが、彼女と類似の経験者ならばよくわかるだろう。実際に学習の最大の障害はお金よりも「家族」ではないだろうか?)も見事にシンクロしている。両書は合わせて読むと示唆を受けること多大であろう。


 

私、おバカですが、何か?―偏差値40のかしこい生き方

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