テアトル新宿が、グラインドハウスになった件について


 というわけで原稿の締め切りがあるのに急に決心して新宿で若松孝二『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』を観に行った。3時間を超える長編である。しかし‥‥。物語中央でなんと上映が一時停止した! このデジタル時代に素晴しい快挙だ! なぜかすごく興奮したぜ。ある意味、映画以上に。


 観客の年齢層が異常に高くまた満席だったがまったく文句の声は聞こえず、むしろ年齢が高いことを反映してか?これ幸いとロビーに飛び出す(つまり小用に行く)人たちが多かった。僕もこの映画の舞台に近い70年代にはよく経験した上映途中のアクシデントも、この映画の魔力のせいにちがいないと確信したのである。それと重信役の伴杏里と遠山美枝子役の坂井真紀が宮台真司から資金をもらうゴールデン街のお店が院生の頃によくいったところだったのに微苦笑した。


 なお映画そのものの感想は映画ブログの方でそのうち書くつもり。僕はこの3時間超の大作をまったく緩むことなく見れたのに驚いている。僕にとっては安田講堂あさま山荘もすべてテレビで起きているどこかの「戦争」でしかないことも含めていろんなことを考えさせる映画である。大画面で見た方がこの映画はいいと思う。


 なおテアトル新宿からは、上映終了後に、途中中断のお詫びということで一年間有効の劇場入場券をいただいた。そのご厚意は特筆すべきでしょう。劇場の人たちには冷や汗ものでも、僕のような不謹慎なものにはすごく懐かしい出来事だったのよ。サンクス、テアトル新宿