荻上チキ『ウェブ炎上』


 サイバーカスケードという概念を中心に構成されているきっちりしたネット論。二重のカスケード(AかBかの争点設定、どちらか一方の勝利の設定)への注目と、カスケードとアーキテクチャの問題を関連させているところも面白い。たぶん「ウェブ炎上」から期待されるトリッキーな話題の羅列ではなく、ハードな内容にやや面食らう人もいるかもしれない。それにしても最近、レッシグのインセンティブ四点論(市場、法、規範、アーキテクチャ)をあげて、その中からアーキテクチャ東浩紀では情報環境権力)の問題に注目した議論が何気に急増している。


ウェブ炎上―ネット群集の暴走と可能性 (ちくま新書)

ウェブ炎上―ネット群集の暴走と可能性 (ちくま新書)