サイバーカスケードという概念を中心に構成されているきっちりしたネット論。二重のカスケード(AかBかの争点設定、どちらか一方の勝利の設定)への注目と、カスケードとアーキテクチャの問題を関連させているところも面白い。たぶん「ウェブ炎上」から期待されるトリッキーな話題の羅列ではなく、ハードな内容にやや面食らう人もいるかもしれない。それにしても最近、レッシグのインセンティブ四点論(市場、法、規範、アーキテクチャ)をあげて、その中からアーキテクチャ(東浩紀では情報環境権力)の問題に注目した議論が何気に急増している。
- 作者: 荻上チキ
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/10/01
- メディア: 新書
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