投票率を上げるいくつかの方法ほか(『Voice』9月号:若田部昌澄・山形浩生論説)


 今日は大学にきてお盆前後にきた郵便物を仕分けしていますが、本号もちょっとご紹介遅れました。山形さんの方は「投票率を上げる確実な方法」では、民主主義を多少信じている山形さんの投票率改善方法としての、投票に来た人へのお金の支払いを提案しています。


研究室のパソコンでいまなぜかpdfが読めないのですが(泣)、以下の分析(htmlでいま見てますが)などは山形さんの提案を考える上でも非常にいい枠組みを提供していると思います。

http://www2.osipp.osaka-u.ac.jp/~yamauchi/gakubu_hp/2004/paper/1.pdf


 Rikerのモデルを利用すれば山形提案は投票の機会費用(参加するコスト)を引き下げる提案といえます。最も上記の分析では投票の参加コストを下げる提案の効果はかなり限定的なものではないかという気がします。


 むしろ若者率が低下していく高齢化社会が進むにつれて投票率は上昇しはじめたりして(怒れるあるいは逝かれる中高年の増大w)。


 それとやはり一票の格差の是正が投票行動を刺激したり、または金銭以外のインセンティブもかなり大きな作用をしているのですね。しかし面白い提案の論説と論文です。


 さて若田部さんのは「数字の操作が招いた悲劇」として、猪瀬さんとの副知事承認日の飲み会の話題から(笑)、猪瀬さんの新作『空気と戦争』の話題にふれたものです。


 猪瀬さんは道路公団民営化で国土交通省の交通需要推計のデータゲットのために、はたからみても非常に苦労していました。しかもこの推計が、若田部さんの書いたように「あやふやな数字があやふやな結論」になっていた、と思います。



 情報公開までが大変で、さらに情報公開したものがなんだかさらに別な情報を隠した上で成立している、というまさに神経消耗戦が、頭のいいw官僚を相手にすると待っている、と猪瀬さんの本は教えてくれます。