新刊予告:『経済政策形成の研究:既得観念と経済学の相克』(ナカニシヤ出版)


 『昭和恐慌の研究』に次、思想・理論・歴史と経済政策との関連を扱った野心的な一作。お盆前には書店に並びます。『論座』7月号で松尾匡さんが予告したところかなりな反響がありました。個人的には隣の解体・建築音(まだ建築してますけども(ーー;))で睡眠不足などに悩まされ偏頭痛も生じて個人的インセンティブ急落の中で、何度も書き直しした苦しい思い出しかない論説を収録。


 ただの論文の寄せ集めみたいなよくある論集ではないと思います。統一的なテーマで全体を通して読めば以下の紹介文に書かれたメッセージを中心に得るものがあると思いますので、ぜひご一読ください。

以下、出版案内

税込定価 3675円
A5判 336頁
ISBN978-4-7795-0196-8
C3033

<内 容>
適切な政策の実現を阻むものは何か。
「良いデフレ論」「構造改革主義」「金本位心性」……。「反経済学」的発想にもとづく誤った政策が繰り返し支持され,実現されるのはなぜか。適切な政策を実現するためには何が必要なのか。それを阻むのは何か。経済政策形成における「観念」の重要性に着目し,そのメカニズムを理論的,歴史実証的に解明。適切な政策実現のための、実証的・実践的「経済政策学」の確立を目指す。

<目 次>
序 章 経済政策はどう実現するのか―――――――――――――野口 旭

第?部 経済政策の経済学
第1章 経済政策における既得権益と既得観念―――――――――野口 旭・浜田宏一
第2章 経済政策における知識の役割:思想,政策,成果――――若田部昌澄

第?部 歴史からの照射
第3章 松方財政期における幣制改革論:金本位制と清算主義的政策思想――中村宗悦
第4章 デフレをめぐる既得観念と経済政策:昭和恐慌と平成大停滞の経験から――野口 旭・浜田宏一
第5章 笠信太郎三木清構造改革主義の一起源―――――――田中秀臣
第6章 平成デフレをめぐる政策論議:インサイダーの視点から――浜田宏一

第?部 経済学における「共通の知見」をめぐって
第7章 デフレ不況と経済政策:実践的マクロ経済学としてのケインズ経済学の立場から―――浅田統一郎
第8章 「経済学的発想」と「反経済学的発想」の政策論:マルクス経済学から――松尾 匡


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