年内利上げはあるか? 中小企業を切り捨てる日銀、次期総裁は? てんこ盛り


蒲焼の匂ひ:日経公社債情報スペシャルです


スペシャル」といっても今日、ほぼ3週間ぶりに本務校=群馬に行きまして溜まってた郵便物整理したら『日経公社債情報』が四冊もでてきました
(ーー;)

しかも内容がかなりいい! さすが最強の業界誌(当社比)。

さっそく目についた記事からゴー

1548号(7月31日号)

永田町ウォッチは「ネットアイドル麻生外相の挑戦」 藁

日銀ウォッチは暗黒大陸さんの記事「「金利の世界」へFRBを意識?」が掲載されております。

 この論説が書かれたときは、メディアや一部のエコノミストは福井氏のゼロ金利解除時のステートメントを「ハト派」ととらえていました。それを暗黒大陸さんは、ゼロ金利解除のステートメント量的緩和解除時と同じ「タカ派」ぶりであり、インフレギャップの存在を前提に、強い経済指標 → 潜在的なインフレの芽を「フォワードルッキング」的に「プリエンプティブ」に金利引き上げをしていくもの →年内の利上げない、は妥当でないことを示すもの。日銀は「正常」な政策金利水準を2.5〜3%と考えてるようなので現状は「極めて緩和」的な水準と思っているだろう。


 この論説を暗黒大陸さんが書かれたときはおそらくメディアとエコノミストの大半は年内利上げはない派でしたが、その後の日銀首脳部と日銀よりエコノミストたちからのデンパを素直に解読するかぎり、むしろ暗黒大陸さんの読みどおりの展開になっているのは周知のことだと思います。

 日銀はFRBを真似て一定のペースで継続的利上げを狙う可能性が強い。日銀にとって障害となる要因はふたつ。1 財務省からの低金利あ圧力 2 株式相場の下落リスク。

 利上げの実体経済に与える影響軽微+利子収入上昇 → 与党は低金利持続+消費税増+社会保障増を国民に課すことはできない=財務省の圧力はそれほどでもない
 株価の調整は日銀の量的緩和解除による流動性の急激な収縮というマネーフローが原因の世界的な株価調整はそろそろ落ち着くのではないか?

 以上から年内利上げを否定する状況とはいえない、というのが暗黒大陸さんの読みです。

最後に「日銀が持続的な利上げという「正常化路線」を放棄せざるを得ないのは、現時点では市場の誰もが想定しないような景気失速の蓋然性が高まり、企業業績の下方修正リスクというファンダメンタルズの裏づけがある世界株価の第二次調整が本格化する局面であろう」と書かれています。


1549号 

実は二号続けて「ゼロ金利解除インタビュー」が特集として組まれています。前号では深尾光洋氏が、この号では山本幸三氏です。両方とも日銀の政策には批判的ですが、より批判のレベル度が高い山本さんに絞っていきましょう。


山本幸三氏インタビュー要点


1 インフレの恐れないのにゼロ金利解除する必要なし。まだデフレ。山本氏はCI重視派。解除はまだ待ってよかった。

2 株価は下がり基調(当時、田中注)、米経済の減速を見据えて「フォワードルッキング」的にすべき(これ明らかに皮肉にしか思えない 田中こころのつぶやきw)、「もし失敗が明らかになったら、全審議委員に責任をとってもらいたい」。


 でもなあ、新しい内規で禁止されている行為を「フォワードルッキング」的にしてた総裁が居直っていまだにいるし、過去のゼロ金利解除の失敗だってそれどころかバブル、バブル強制崩壊=不況発生、デフレ大停滞 などの一連の政策の責任、昔も今も誰もとってないのがあの組織だからなあ(ーー;)


3 山本氏は米国経済の先行きにかなり悲観(住宅ブームの崩壊、原油価格高騰など、地政学リスクなど)。


4 「そもそも審議委員が全員一致で解除に賛成というのはおかしいい。中小企業を理解しようとする委員は一人もいないのか。もっと勉強して、地方を回ってほしい。そういう人が一人もいないのは危機的だ。地元の中小企業を回っていても『景気がいい』という企業はほとんどないのに
驚いている。資本金2000万円未満は短観の対象外だから、日銀は実態をわかっていない」


最後のところはまるでyanoさんみたいですね!

日銀短観をみる際の注意点にもなりますので以下のyanoさんのエントリーは必読ですね

http://d.hatena.ne.jp/koiti_yano/20060711

5 いまの日銀の政策は裁量的。インフレターゲットの採用をするべき


1550、1551は安倍マンセー記事や靖国ネタしか一般向けの記事ないのでつまらないので省略