2012-08-01から1ヶ月間の記事一覧

松尾匡「リスクと決定から社会主義を語る」

社会主義理論学会編集の『資本主義の限界と社会主義』に収録された松尾匡さんの新しい論文です。しかしこの論文集まさかもらえると思ってなかったので買ってしまってたw しかもよくあることだけど買った翌日に大学にいくと来てるとかの必勝パターンww さ…

ポール・クルーグマン『さっさと不況を終わらせろ』

クルーグマンの最新刊の山形浩生さんによる翻訳です。山形さんによる解説も適切でいいものです。本書では先行者としてのケインズやミンスキーからの影響がかなり濃厚に出ているように感じました。また大統領選挙が近いという政治の季節を反映してか、クルー…

意識をめぐる論点メモ

9月8日の現代思想×保守×リフレのトークイベント用の備忘録。去年のクリスマスイブにやった稲葉振一郎さん、山形浩生さんと僕との公開討論会での稲葉さんの発言を(ご本人の了解はないがw…稲葉さんに差し支えがあったら無念だけどこのエントリーは削除するで…

上念司『ユーロ危機で日本は復活する』

上念さんの新刊です。ユーロ危機については一般の読者が、経済的知識がまったくないまま読んでスーッとわかる良書がほとんどない中で、この本は貴重な啓蒙書です。しかも単なる啓蒙書ではなく、いまの日本経済、私たち個人個人の生活にどう影響がで、またど…

通貨スワップについてのリンク集

なんか韓国との領土問題で、「日韓スワップ協定破棄して経済制裁」とか、あたかも中央銀行(日本は財務省も関与)間の通貨スワップが、ゼロサム的なゲームかなんかで、日本が一方的に韓国に恩恵与えてそれで通貨スワップ離脱すれば韓国にだけ損失、みたいな…

民主党政権にとって尖閣上陸事件は出来レースか?

尖閣諸島をめぐって民主党政権はなにか仕掛けてくるんじゃないか、という観測を以下の動画の1時間44分から話してますのでご覧ください。http://www.ustream.tv/recorded/23847733関連するニュースとしては産経新聞の次の記事を参照ください。 予定調和の政府…

昨日の阿佐ヶ谷ロフトでのイベント

昨日の夜は、阿佐ヶ谷ロフトaでトークライブに参加しました。古谷経衡さんの進行のもと、鈴木邦男さん、山口祐二郎さん、久野潤さん、そして僕で話を展開していきました。会場には見知った知人の方々も多く、会場は満席で大盛況でした。ご来場いただき感謝い…

『ジャパニズム』08号

古谷ツネヒラ編集長から頂戴しました。ありがとうございます。シノドスの各種媒体、Planet、『POSSE』など若い論客が集まる媒体が多いですが、この『ジャパニズム』は保守の若い論客たちが中心の雑誌です。今回の号では、冒頭の竹田恒泰×久野潤×古谷経衡三者…

阿佐ヶ谷ロフトのトークイベントのために読んでおいた勉強用資料

いつもそうなんですが、トークイベントの前には「勉強」をしておきます。特に今回は、はじめて組む方も多くその方々の著作も代表的なものは読んでおくのは無論なのですが、テーマも告知の文章にあった「憲法、国防、外交領土、歴史観、民主主義、そして原発…

アメリカ合衆国戦略爆撃調査団『日本戦争経済の崩壊』と内閣総力戦研究所・秋丸機関の話題

Twitterで数日前に書いたものを簡単にまとめました。 アメリカ合衆国戦略爆撃調査団『日本戦争経済の崩壊』は、経済学者のガルブレイスも入った終戦直後に行われた米国の日本に対する戦略爆撃の効果についての調査。 精密爆撃(いまで言うピンポイント爆撃)…

若田部昌澄&栗原裕一郎『本当の経済の話をしよう』

経済学者と評論家の組み合わせというと、まず思い出すのが『ヤバい経済学』だ。本書の著者たちも十分それを意識して冒頭でネタにしているぐらいだ。本書にはその『ヤバい経済学』やその映画版からの話題もあるし、しばしばかのベストセラーであるサンデル教…

二年先の1%のインフレ率にも言質あたえぬ(白川方明日銀総裁会見)

金融政策は現状維持であった。話題の多くはいわゆる「札割れ」とLiborそして成長資金戦略とやらに割かれたようだ。正直、どうでもいい問題だ*1。 さて白川総裁の記者会見について経済成長と物価関連の話題をみておく。 (問) 7 月 25 日に山口副総裁が広島…

橋下徹大阪市長の文楽問題関連

昨日の夜中のつぶやきのまとめ。 橋下市長の以下のつぶやきがリツイートされてきた。 RT @t_ishin: http://t.co/4jexMTPp文化行政に関する僕の問題意識。上山信一大阪府市特別顧問がまとめてくれています。「文化は大切、予算を削るな」と言うのは簡単。文化…

高橋洋一『大阪維新の真相』

現在、橋下徹大阪市長の間近で彼を見ているという高橋洋一さんの最新刊。『正論』の総理大臣に望ましい人物として高橋さんは橋下氏を推薦していることからもわかるように、橋下氏の「改革」に期待し、事実上のブレーンによるわかりやすい「大阪維新」の解説…

荻上チキ&SYNODOS編『日本の難題をかたづけよう 経済、政治、教育、社会保障、エネルギー』

安田洋祐、菅原琢、井出草平、大野更紗、古屋将太の各氏がメインパートをうけもち、付録に梅本優香里氏が寄稿している構成になっている。まず新鮮な題材が並んでいるのがいい。 特に冒頭の安田さんと菅原さんの論説は新しい知見をわかりやすく一般の読者に伝…

河上肇と毛沢東

Eテレをみた知人が、北京大学教授の王暁秋氏の発言「河上肇のアジア的なマルクス主義が毛沢東に影響を与えた」という発言趣旨の「アジア的なマルクス主義」とは何か、という質問を頂いた。王氏に毛沢東と河上肇を中心に論じた論文があるのかわからないが、一…

岩田規久男『日本銀行デフレの番人』

岩田先生の最新作はいままでの日本銀行問題の総決算と、最新の世界状況の中での日本経済、そしてそこに根元的に関連する日本銀行の政策スタンスについて丁寧に解説し、具体的な政策提言を行ったものである。 90年代中ごろに日本銀行の金融政策のスタンスがデ…

山森亮&橘木俊詔『貧困を救うのは、社会保障改革か、ベーシック・インカムか』

献本いただきました。ありがとうございます……といっても頂戴したのが、いまから二年と八か月前、お礼を書き忘れてすみませんでした。ちゃんと読んだ本の書評を書くことをとりあえず目標としているためにこんなに遅れてしまったと一応言い訳を(笑。 さて本書…

本間龍『電通と原発報道』

本書は出た直後に読んでこれまたTwitterや講義なんかで話してしまい安心して(笑)ブログに感想を書き漏らしたもの。まあ、すべて読んだものをブログに書くつもりはないが重要なものはやはりチェックしておきたい。 ガルブレイスが『ゆたかな社会』の中で、…

若田部昌澄「大恐慌は防いだか?ー経済危機後の日本・世界経済を展望する」『経済倶楽部講演録』6月号

Twitterに書いてしまうとブログに情報を載せ忘れることがあるんですが、ブログもまめにちゃんと記録しておかないといけないw。その書き忘れの代表的なものは、『経済倶楽部講演録』の若田部昌澄さんのこの世界経済一周の講演録。一般には入手できないのが残…

財政政策中心主義の金融政策観?(三橋貴明氏の発言を読む)

三橋貴明さんの発言には、財政政策中心主義の本音が明らかなので以下にコピペ『言志』創刊号より 「とはいえ、日銀の金融緩和のみでは、デフレからの早期脱却を実現できないことは、小泉政権期の日本や、現在のアメリカを見ても明らかだ。日銀が新たに通貨を…

官邸前デモのリフレデモより

Facebookの荻上チキさんのページよりwログインしてみれる人はぜひ。http://www.facebook.com/#!/photo.php?fbid=3982085982882&set=a.3982084702850.2152392.1002680099&type=1&theaterしかしデモ自体は一部で組織的ななんかあやしげな過激な匂い(長谷川幸…