2010-11-01から1ヶ月間の記事一覧

田中秀和(1935−2010) 『ベンガル』の共著者田中秀和さんがお亡くなりになった。ここに謹んでお悔やみ申し上げたい。彼と僕は親子なのだが、ここではふたりの共著『ベンガル』を中心に、彼のこの書に関連する業績だけ振り返っておきたい。いずれ彼との私的…

田口久人『受かる! 面接力養成シート』

新カテゴリーで就職というのを作ってみました。この田口氏の本はとても使いやすい。まず従来の面接本は、1)著者の経験談に比重を置くものが多く、それはそれで面白いものがあるが、やはり読者側からするとその体験を自分のものとして活かせるかどうかはは…

菅原晃『高校生からのマクロ・ミクロ経済学入門Ⅱ』

上念司さんが「これはいい」ということで頂戴したのだが、いまネットでも話題の菅原氏の経済学入門書である。本書の特徴はふんだんに新聞の論説や社説、それに大学の経済関係の入試問題などを収録し、それを利用しながらマクロ経済(国民所得勘定、日本国の…

『週刊現代』でコメント

今日発売の『週刊現代』で「本当は凄い日本の底力」という記事でコメントしていると思います。ご一読いただければ幸いです。

堀江貴文・勝間和代『嫌われることを恐れない突破力!』

僕も子供のころから集団活動になじめず、目立つことが悪のような環境が、学校から社会へと、基本的にいまでも続いているような気がしている。いわゆる「出る杭は叩かれる」というものだ。多くの日本に住む人たちは多かれ少なかれそう感じているのかもしれな…

石橋湛山の外交戦略by姜 克實

姜 克實先生は尊敬している思想史研究者です。特に石橋湛山研究では毎回示唆を得ることが大きいのです。今回の『週刊東洋経済』の論説「紛糾する対中関係どう構築し直すか」も勉強になります。 尖閣諸島問題で最大の問題は、それが「国民感情の対立、ナショ…

ニコラ・ド・クレシー『氷河期ールーヴル美術館BDプロジェクト』

久しぶりのフランスマンガ(BD)の翻訳の登場ですね。 ニコラ・ド・クレシーの作品は『天空のビバンドム』が出ていますが、それと同時期に同じ作者の作品が翻訳されたということは、フランスのマンガの知名度の向上にも役立つでしょう。そのほかにもメビウス…

若田部昌澄「危機の経済政策ー湛山ならばどう立ち向かうか」

これは『週刊東洋経済』の論説とは異なり、経済倶楽部講演録に収録された石橋湛山賞受賞をうけての講演です。これはとても深い内容の湛山論でして、『経済倶楽部講演録』(2010年11月)が一般で入手が難しいだけに少し残念です。なお経済倶楽部自体は東洋経…

優れた音楽産業論:津田大介・牧村憲一『未来型サバイバル音楽論』

いま早稲田大学で経済学研究(文化の経済学)の講義を今年限定で行っている。前回は、ニコニコ生動画で津田大介さんの司会の番組に出たときの様子を講義で流した。ニコニコ生動画を講義で流すのはあまりないのかもしれない。自宅に帰ってTwitterをみたらその…

大学生の就職内定率低迷についての雑感

大学生の就職内定率、過去最低の60%割れ(10月時点)だという。去年までは僕の所属する学部はいい意味でも悪い意味でも経済全体の一種の先行指標だったように思えるが、今年は学生の頑張りや僕自身肋骨を折るなど教職員の踏ん張りで、全国平均よりかなり…

石橋湛山の経済政策by若田部昌澄

『週刊東洋経済』の特集「石橋湛山が今、首相ならこうする」での若田部さんの論説を拝読しました。石橋湛山賞の受賞者でもあり、その受賞の講演(『経済倶楽部講演録』所収)でも、まさに現時点での湛山の経済思想の一番深い理解者であると思われる若田部さ…

今年度、河上肇賞受賞作なし!!

http://www.fujiwara-shoten.co.jp/main/kawakami_prize/この賞初めての出来事であり非常に落胆した。とてもレベルが低く、選考委員の意見はきわめて辛辣な意見で一致していた。事実上、開催して数十分で決まったといっていい内容であり、本当にがっくりきて…

中原伸之元日本銀行審議委員吼える!「日本は「四権分立国家」か?−日本銀行の「独立性」は天賦・固有の権利ではない」

ついに中原氏の凱旋です。『景気とサイクル』誌(第50号)より。 最近、日銀法改正の動きが超党派で見られることはおおいに歓迎される。特に第2条(理念)に加えて(金融政策の目標)を明確に規定することが喫緊に必要とされている。 さて中原氏は、日本銀…

『SAPIO』で語る“タックスヘイブン”社会&中国経済の「弱点」雑感

今日発売の『SAPIO』に寄稿しています。「青写真 日本型タックスヘイブン社会が実現すると「サラリーマンの通勤ラッシュがなくなる」という見出しがついてます。http://www.zassi.net/mag_index.php?id=55 『SAPIO』に登場するのも久しぶりですね。雑誌の巻…

今敏追悼BOOK

『Comic リュウ』の付録の小冊子。今敏のマンガ『セラフィム 2億6661万3336の翼』からの抜粋、筒井康隆氏との対談、氷川竜介氏の評論を収録しているなかなかよくできた小冊子で資料的な価値は大きい。 いままで今敏という存在ではなく、『パプリカ』や『千年…

上野泰也と仮面ライダー

『Voice』の最新号を頂戴しました。ありがとうございます。そういえば最近はTwitterばかりで同誌をふれることをブログでは忘れてました。またこのブログも毎日更新を心がけ始めたので復活中ですので、これからもまめにとりあげさせていただきます。 今月号は…

さらば宇宙戦艦ヤマト1978年8月5日

『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』の上映日は78年8月5日。僕はその日、川越市内の駅を始発にのって池袋の上映館に向かった。なぜ始発電車にしたのか記憶がもうないのだが、ネットのない当時では、「この映画がとてもヒットするのではないか」という予感…

『世界史の構造』を読むー『atプラス』06号

頂戴しました。ありがとうございます。前号については悪態の限りをつくしました 笑。さて、今回の号ですが、柄谷行人氏の『世界史の構造』を雑誌の過半を使って大特集しています。 しかし御存じのように僕は思想系は、マンガとアニメ、あるいは経済学に関係…

近刊予告『AKB48の経済学』

いまある方のtwitter拝見したら僕の本の近刊予告がでてたので、本人も乗り遅れまいと告知! 「AKB48の経済学」(田中秀臣著:朝日新聞出版)、12月7日発売予定! AKB48の最新CDはなかなかいい。特にDIVAの歌唱力に驚いてる【特典生写真付き】Beginner(Type-B…

民主党、日本銀行法改正の正式検討手続きに入る

素晴らしい。基本的な方針は大賛成ですので、どうかよろしくお願いします。http://blog.guts-kaneko.com/2010/11/post_554.php引用 われわれの提案する日銀法改正案は、こちらにもありますように、 ①米FRB(連邦準備制度理事会)を見習い、日銀による金融…

英単語ものの良書

FRBの超金融緩和政策についてふれるべきだろうけど、まあ、それはまた後日として、ジュンク堂を物色していたら、『京大・学術語彙データベース 基本英単語1110 』とかいう本がたまたま目につく。これは面白い。文系・理系それぞれと共通の語彙を的確な訳語と…

「『耳をすませば』とリア充」

『季刊東北学』第25号の宮崎駿の世界への寄稿。アマゾンでも予約受付。この特集にはほかに村瀬学、切通理作、正木晃、小山昌宏、米山みゆき、入間田宣夫、安斉正人氏らが宮崎アニメ論を寄稿。 僕の論説「『耳をすませば』とリア充」は、今年の『耳をすませば…

地域雇用のお勉強のための資料集

知人が地域雇用について質問してきたのでいくつか関連文献をサーチ中。 最近出たレポートはこれ。例えば、構造改革特区の雇用創出効果でも地域(市町村)における産業別のデータ(例えばその産業別の従業員数の変化など)が利用可能ではなく主観的評価が中心…

もう少しで出るみたい

個人的に楽しみにしている今度の『季刊 東北学』の宮崎駿特集。予約できるみたいなのでご紹介http://www.kashiwashobo.co.jp/cgi-bin/bookisbn.cgi?isbn=978-4-7601-3893-7書影は下。アリエッティ。

よさげな英語教育のテキスト

新装版が春に出てたので紹介。早稲田大学政治経済学部での一年生の必修テキストだとのこと。集中して勉強するのにはいいかもWorld Views: English for Political Science & Economics (New Edition with CD)作者: 早稲田大学政治経済学術院英語教育部会編出…

「就活 親も子も知らない「いい会社55」」『AERA』

いま出ている『AERA』の就職関係の記事で長いコメントを紹介していtらだいてます。「無名大学の就活では、採用実績が必要です」という小見出しがついてます。この記事は日本の中小企業をベースにして記者の取材によって優良で、人材育成を重視している企業…

なんだ!?この評論は!?

ふくしま政美の『聖マッスル』や『格闘士ローマの星』は僕が若いころに雑誌連載のときに読んでいたがとくにカルト的とは思わなかった。なんで裸なのかな? とも実はあまり思わなかった 笑。なので後年、なんでこのマンガがカルト的人気なのかいまいちよくわ…

『図解雑学 マルクス経済学』続報

今日、大学に来たら本が届いてました。昨日、買ってしまった僕はいったいww どうもありがとうございます。池上彰氏のマルクス本よりも数段、松尾マルクスの方が刺激的なので読みましょうwマルクス経済学 (図解雑学シリーズ)作者: 松尾匡出版社/メーカー: …

『生活考察』第二巻

頂戴しました。ありがとうございます。今回は、特に速水健朗さんがとばしていますw。「都会的消費生活者のためのアーバン・ミュージック・ガイド」第二回ですが、デフレカルチャーの中、かってバブル期の幕開けに田中康夫氏が書いた名著『ぼくだけの東京ド…