白川方明日本銀行前総裁のダメな経済論説

Nikkei Asian Reviewに登場した白川氏の論説「世界は“日本化”の悪しき教訓を学んだー政府はデフレの亡霊ではなく、生産性向上に焦点をあてよー」が掲載されてたと知人からのメール。「デフレの亡霊」とは白川総裁時代の日銀の亡霊がいまだに日本銀行の政策を拘束している……ならば十分にわかる話だが、もちろん違う。

 

一読して白川氏の発言には100%賛同できないな、と思った。要旨は、知人がメールで要約してくれたのでパクるが(笑)

 

1.低金利政策のために非効率的企業が生き残ってしまい、それが生産性低下の経路から自然利子率低下に至る。

2.金融・財政政策は共に需要の先食い政策でしかない。

3.日本の経済成果は、人口動態を考えれば悪くない。むしろ生産性高めろ。

 

である。本当にダメな経済論をフルセットでみていて、要するに緊縮マインド全開。あれだけ雇用の機会を奪っていた自分たちの旧日銀の政策への反省は微塵もなく、その一方でいまの若い人たちの雇用が堅調なのをまったく評価せず、若い人たちが働いている企業を非効率的企業の存続と切り捨てる。これは雇用改善無視というリフレ政策(いまの日銀の金融緩和政策は基本これ。不十分で問題はあってももこれはなんとか揺らいでない)への反論としておなじみのもの。

 

ちなみに自然利子率低下どころか、ひょっとしたら自然利子率(とりあえず仮設する)が思う以上に上昇しているために、それなのになかなか完全雇用→賃上げ の経路が機能しないか心配しているのに(要するにデフレ期待が強くなっている)、この白川氏は相変わらずダメな経済論を発言しているなあ、というのが実感。

 

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