BPO(放送倫理・番組向上機構)についての研究メモ

 自分のためのメモ

BPO放送倫理検証委員会の政治化に関する考察
伊藤 高史
https://ci.nii.ac.jp/naid/120005768167 
「しかしながら、BPO放送法第1 条2 号の解釈は妥当であろうか。放送法第1 条2 号は確かに「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによつて、放送による表現の自由を確保する」と述べている。これは、放送の不偏不党、真実などは、放送事業者の「自律」によって実現され、このことによって「表現の自由」が確保されると理解すべきではないだろうか。「不偏不党」「真実」は放送局が守るべき原則として提示され、それを実現する手段として、「自律」という原則が提示されているのである。「不偏不党」「真実」は目的、「自律」は手段との関係にある。このため,放送事業者の「自律」に任せていたのでは、「不偏不党」「真実」といったものが実現できない場合,つまり,誤報や捏造などが起きた場合の対処の仕方,再発の防止策が問題となるのである。 
 BPO は先に引用した通り、「放送法1 条2 号は,その時々の政府がその政治的な立場から放送に介入することを防ぐために『放送の不偏不党』を保障し,また,時の政府などが『真実』を曲げるよう圧力をかけるのを封じるために『真実』を保障し,さらに,政府などによる放送内容への規制や干渉を排除するための『自律』を保障している」と述べている。しかし,放送の不偏不党を脅かすのはその時々の政府に限らない。「真実」を曲げるよう圧力をかけるのも「時の政府」に限られない。放送倫理憲章委員会の「意見」は,「不偏不党」「真実」への脅威を「時々の政権」「時の政権」のみへと矮小化してとらえて、「不偏不党」や「真実」が、放送する側が守るべき原則であるという側面をあえて無視した、歪んだ放送法の解釈となっていると言えないだろうか」。

 学会ワークショップ「BPO放送倫理検証委員会を検証する」の趣旨
https://www.jstage.jst.go.jp/article/mscom/89/0/89_129/_pdf/-char/ja

BPO=放送倫理・番組向上機構 この10年を振り返って : 圧力に萎縮しがちな放送現場を援護射撃
丸山 進 調査情報. 第3期 (538), 22-27, 2017-09

"沖縄"のデマ報道、BPOの制御困難 「ニュース女子」が開けたパンドラの箱 (特集 沖縄の「いま」を語る)
水島 宏明 Journalism (327), 20-27, 2017-08

放送現場へのブレーキとアクセル : 検証委の委員会決定の変遷 (立体検証 BPO放送倫理検証委員会の10年)
塩田 幸司 放送研究と調査 67(5), 3-16, 2017-05

一戦後人の発想(第51回)BPONHKは解消・改組させよ(下)
俵 孝太郎 時評 58(5), 116-123, 2016-05
一戦後人の発想(第50回)BPONHKは解消・改組させよ(中)
俵 孝太郎 時評 58(4), 140-147, 2016-04
一戦後人の発想(第49回)BPONHKは解消・改組させよ(上)
俵 孝太郎 時評 58(3), 164-171, 2016-03

BPOの陰に隠れ、権力と闘わない放送メディア : 内容の中立性の前に構造の中立性を
大石 泰彦 , 門奈 直樹
マスコミ市民 : ジャーナリストと市民を結ぶ情報誌 (564), 40-55, 2016-01