文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」2月13日火曜コメンテーター出演:北朝鮮と文政権のコラボへの批判、日銀総裁人事、株価動向、オリンピックメダルラッシュなど

今日の放送は、なんといっても平昌オリンピックでの若い日本の力によるメダルラッシュの話題をしました。スポーツ関係も経済学的観点を交えながらこれからもまめに伝えることができればと思ってます。

 

それと日本銀行総裁人事ですが、先週末から本格的に観測記事が流れている黒田東彦総裁の続投報道ですが、個人的には「最悪の最善」という意味でみています。やはり黒田総裁は、政府に13年において財政再建、つまり消費増税を性急に求めすぎたことが、そもそも現在の(経済の大幅改善はあるものの)インフレ目標未達成の大きな要因です。政府の財政政策はもちろん日銀は関係ないのですが、その発言はまずいものです。

 

さらにこの一年以上、金融政策でさらなる緩和をとることなく、いたずらにインフレ目標の達成を先送りにしたことは、総裁としては決定的にまずい。もし政府との協調が必要ならば自ら積極的に動くべきでした。

 

また黒田氏は国内の銀行や国債市場関係者などのいわゆる「マーケット」(市場の意味ではなく、単なるごく一部の人たち)から人気がありました。その背景はすでに黒田総裁の手法が旧来に日本銀行=受動的金融政策にきわめて近いか、あるいはいわゆる出口政策を早期にとるという期待か、あるいは単に情報がとりやすくなっているという事象によると思われます。

 

ただし国外の投資家などからは黒田続投は消極的なシグナルになる可能性があり、例えばダウ平均の上昇とそこそこの円安傾向で迎えた、連休明けの東京市場が株は低下、さらに円高に大きく進んだことは、黒田氏続投のマイナスショックの可能性もあるかもしれません。

 

ちなみに副総裁人事はやはり執行部の意見は、総裁に代表されるために、現状岩田副総裁が五年間あまり発言で黒田総裁の意見を事実上サポートすることに徹したように(ちなみにイールドカーブコントロールについては岩田先生の主導だと思います。これについてはNewsweekに導入時にリフレ派の中でもおそらく最も積極的に評価しました。今日の放送でもわりと大きく言及しています)、目に見えて日銀全体をリードするような大きな役割を求めるのは禁物です。

 

また平昌オリンピックを舞台にした国際政治の茶番についてはかなり強く批判しています。そしてIOC会長の北朝鮮訪問もただのスタンドプレーと切り捨てました。

 

今週の放送は一定期間タイムフリーで聴けます。http://radiko.jp/#!/ts/QRR/20180213060000

 

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