栗原裕一郎「宮崎吾郎が『ゲド戦記』で本当に殺そうとしたもの」in『ジブリの教科書14 ゲド戦記』

 栗原さんのこのアニメ『ゲド戦記』の考察はとても優れてる。宮崎吾郎氏がル=グウィンの愛読者であることで、彼女の作品を深く読み込み、それを現代的かつ自身の作品世界として再構築していくことで、本人や周囲さえも気が付かなかった「父殺し」(=宮崎駿的なものの乗りこえ)を果たしていたのではないか、という洞察。

 ル=グウィン自身の作品の現代性とは何かもこの論説をよんで再確認したくなった。この論説だけでもこの本は買っておくべき。僕は実はアニメ版の『ゲド戦記』は途中挫折組w