墓田桂『難民問題』(中公新書)

 日本の難民受け入れの数の少なさだけに注目していまの行政を批判するのは、あまりにも人道主義を盾にとり、実態を軽視する発言に思える(もちろん違う視点があることも勉強した)。

 日本の難民対策の非効率性については以下のエントリーを参照されたい。
難民申請と外国人技能研修制度との関係:メモ
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20151019#p1

 墓田桂『難民問題』(中公新書)は問題提起の書であると同時に、世界的な難民の動向、そして日本の実務面での難民対策についてその問題点を理解するには最適の本。墓田氏は慎重に議論しながら、日本が難民条約から離脱し第三国定住などで対応することも現実的な日本の対応のひとつと提起して刺激的だ。