26時のマスカレイド、お披露目ライブin原宿

 僕はまったく知らないのだが、「読モ」界というのがあるという。そこで人気の『読モBOYS&GIRLS』×人気女性ファッション誌『Zipper』アイドルオーデイションから誕生したアイドルグループが、26時のマスカレイド

 通常はアイドルのデビューイベントで、特に無銭系のものにはいかないようにしている。なぜならそこでは客層含めて客観的な判断ができないからだ。いわゆる無銭系のファンがいて過度に沸いている可能性もあるからだ(たいがいはその「過度」な部分はアイドルの活動が続くとともに消滅するのがパターンである)。よほど招待でもうけないかぎりは行くことはない。しかし今回は事情が違った。なぜならば、メンバーに江嶋綾恵梨(ニックネーム:りんご)さんがいるからだ。彼女は九州のQunQunに所属し、その後、ソロシンガーとして活動していた。今回は上京してアイドルでまた勝負を賭ける。QunQun時代に、そのアイドル性にとても注目していて(この記事参照のこと)いた。その後の活動もライブはみる機会はなかったがtwitterなどで追ってはいた。今回は彼女にとっても念願の東京での勝負であるし、また挑戦だろう。その船出を見たいと思ったのである。江嶋さんは、読書家で、また優しい人柄で裏表がない人として知られている。アイドル活動のときは、他人から持ち上げられることも多いが、その後の個人活動やソロの時代での評判はまったく揺らぐことはなかった。今日のデビューの会場でもQunQun時代やソロの時代からのファンも何人か目撃されたのがその証明でもあるだろう。

 26時のマスカレイドは、まだまだこれからだな、というのが率直な感想である。お目出度い機会なので、手放しで称賛すべきだが、むしろ「まだまだこれからだな」というのは伸びていく可能性がとてもある、と読み取ってほしい。ただユニークな点がいくつかあり、その中で最大のものは、今日のイベントはやはり選出母体の影響なのか、女性客が半数近くいたことだ。公式だと233名の観客なので、それだと100名近くはいたのではないか? この女性層がそのままいまのアイドル現場に随行することはなかなか難しいかもしれない。ただこの客層はこのグループの最大の宝であることは違いない。それをうまく生かし切れば、このグループの可能性は従来のアイドルグループにはないものになる。それを期待したい。女性限定の単独ライブなど工夫が求められるように思える。この数か月の動向を見守りたい。また衣装がとてもよくできていて目をひいた。オリジナル曲をすでに数曲もっているのも強い。

 アイドル秋から冬の時代へのシフトの中で、注目すべきアイドルのひとつとして、この試練を乗り越えてほしい。