片岡剛士「所得支え成長への期待高めよ」in朝日新聞:耕論

 ポストに投函されてすぐに読んだがほぼ同じぐらいにネットにも上がってた。
 http://www.asahi.com/articles/DA3S11958765.html

 岩本康志との対決企画的な感じだが、岩本氏の意見はすでにいろんなところで反論を我々はしているので省略して、片岡さんのものだけに絞る。

 安倍政権誕生前の円高・デフレ経済の低迷、それを金融政策の転換で、インフレ期待を醸成し、円安・株高、企業の最高益続出、財政政策の効果も相乗し消費増加。90点の出来。

いわゆる我々の主張のキーを片岡さんは簡潔にまとめている。

「背景には、将来への予想が好転したことが影響しています。経済状況の回復には予想が大きな役割を果たします。人は「賞与が上がりそうだから購入しよう」などと将来を見越して行動します。一方で、物価が下がり続けるデフレ下では「もっと安くなってから」と消費を控えてしまう。消費が伸びないから企業経営者は事業拡大の展望が描けず、生産増や投資に踏み切れない。デフレは期待を確実にむしばみます」

 ところがこの好循環をダメにしたのが消費税増税。採点は50点に下落。ダメになった経済の状況は上記片岡さんの論説を参考にしていただいて、「。具体的には1人あたり3万円の定額給付金支給などを主眼にすえた、総額5兆円規模の経済対策を早急に実施すべきです」とする。実際のGDPギャップは約9兆円ともいわれるので、この二倍でもいいし、算定次第ではもっと拡大してもいいだろう。ただ政治的な制約も考えると片岡さんの主張する額ぐらいか。
しかもこの財政政策の負担を他の支出減や将来の増税などで担保してはいけない。財務省的なイデオロギー的な制約を脱して行う必要があるだろう。

 先のトークイベントではもっと詳細に片岡さんはパワポを利用して話していたが、そのごく一端ではあるが、読者はこの記事を読んで知ることができるはずだ(もっと将来に片岡さんの主張をチェックするべきだと思うが)。