藤井彰夫『イエレンのFRB』

 ベン・バーナンキからジャネット・イエレンFRB議長時代になりました。この著作はその意味でも今後のアメリカの金融政策、そしてFRBとアメリカの政界との関連などを考える上でも最適の書籍でしょう。90年代から今日にかけてのアメリカの金融政策がとてもダイナミックに変化していることが本書からもわかります。また日本銀行、ECBなど各国中央銀行や世界経済についての基礎知識もバランスよく解説されている点もすぐれてますね。

 これからの世界経済を理解するには、ビジネスマンや学生はぜひ目を通しておくべき書籍です。僕が特に役立ったのは、上にも書きましたが、米国の政界の重要人物のキャラがよくわかったこと、さらにイエレンが重視する注目指標(本書155−6頁)の整理、イエレンのいわゆるプランBについて考えるべきポイントの整理ですね。アベノミクスにたいする肯定的評価と批判もバランスよく書かれてますね。フェルドシュタインの批判は面白く(また僕には異論がありますがw)参考になるでしょう。

イエレンのFRB 世界同時緩和の次を読む

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