黒田日銀総裁の消費税増税についてのコメント雑感

 毎朝、経済記事を的確のまとめてコメントしていただける村上尚己さんのつぶやきから。

https://twitter.com/Murakami_Naoki/status/369965388462686209
毎日 日銀の黒田東彦総裁は20日毎日新聞の単独インタビューに応じた。来年4月に予定される消費増税や海外経済変調で景気失速リスクが高まる場合には「金融政策は調整される。ちゅうちょしない」とし、追加緩和策を検討する考えを示した。

https://twitter.com/Murakami_Naoki/status/369965652485750784
ロイター 日銀の黒田東彦総裁は20日NHKとのインタビュー 「消費増税で景気が失速し、2%の物価安定目標が達成できなくなることはない」

 僕はこの報道を読んで以下のようにつぶやいた。情報を付加してまとめておく。

 日銀の黒田総裁のインタビューについては、「消費税は景気失速せず」についての解釈は、僕らと同じ財務省の「消費税の自己目的化」(消費税で落ち込む分を公共事業や減税で埋める)という発想が前提だろう。ただし後者の「埋める」作業は、政策ラグや政策リスクがあるのでそれには緩和対応という意味だろう。

 もちろんこんな「消費税の自己目的化」に伴う財政政策こそ、財政規律もへったくれもないものだ。高橋洋一さんの論説「財務省の動きを冷静に見る黒田日銀総裁 財政健全化論の無邪気な前提 - ZAKZAK」(http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130820/dms1308200729003-n1.htm) だと、黒田総裁はその点も見越して、財政規律について言及しているとしているが、少し好意的すぎるかもしれない。なぜなら総裁自身の具体的な論点提示にはなっていない。僕らの解釈で補っているだけだ。

 (たとえ公共事業や消費税以外の減税を行ったとしても)政策ラグや政治的リスク(補正予算の規模が足りないなど)が発生して、消費税増税で経済失速が懸念されるならば、常識的には、その根元の消費税増税をやめるべき。いま書いたが政策全体で財政規律もへったくれもないことももちろんあるからだ。

 もし仮に財務省やその御用系のメディアやエコノミストたちが垂れ流しているように、「国際的信用」とやらが消費税増税に求められている(=財政規律や財政再建を期待しているということだろう)という「虚構」を真に受けたとして、いまの財務省の想定では増税+公共事業+減税 という財政規律もへったくれもないもの。「国際信用」暴落だw
あとこれは私見だが、どうもあなた任せ(昔の日銀の受動的姿勢)の展開になっていて、果たして日銀が期待インフレ率を現状で制御しているといえるか僕は自信がない。BEIを云々することは現状では意味がない(そしてこの意味がない、と僕がいっている意味こそを真剣に考えてほしい)。

 なので、先月から一貫して、僕は日銀に追加緩和を要求している。黒田総裁の昨日のインタビューは、「あなた任せ」の姿勢が濃厚であり、自らが現状で期待制御できているという「自負」を前提にしているだけに、危険に思える。僕の私見を支持しないリフレ派もいるだろうけど、やはり言っておきたい。

 僕の現状の政策姿勢は以下にまとめた。

1)日銀は追加緩和をすべき(最善は日銀法改正、次善は政府との名目経済成長率の引き上げ、現状のフレームでは長期国債オペの拡充)、2)政府は消費税増税の撤回、それができなければ1年先送り