アレハンドロ・ホドロフスキー&メビウス『天使の爪』

 まさかの翻訳の登場。ホドロフスキーメビウスの性的な妄想大全とでもいうべき一書なのか、あるいはそれ以上の何か倫理的なメッセージなのか? それはこの日本のいまの出版事情の中では異例ともいえる大判さらに決して一般的とはいえない中味のアンサンブルを自ら体感するしか知ることはできない(読んでもできないかもだがw)。巻末にはホドロフスキーのインタビュー、斉藤環小野耕世両氏の解説、さらに訳者の原正人さんのいつものように周到なあとがきもふされていて本書の理解いやさらなる迷宮入りに貢献することだろう。

 また、僕はこれのフランス語原本と英訳版の二冊を所有しているが、この日本語訳が一番いいと思う。