クールジャパン戦略についてのメモ

 今日、Twitterに書いたのを修正して以下にまとめる。勉強メモ。

 ちょっと仕事なのでクール・ジャパン政策関連の資料についてつぶやき連続技。「面影日本」http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/creative/OmokageNihon.pdf とりあえず最近の「逝きし日本の面影」シンドローム松岡正剛氏の知の編集工学(よく知らないけど)の合わせ技パンフレット。実体的中味はゼロ。

 クールジャパン戦略の24年度成果集。http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/creative/HPkaigai130603.pdf 世界各国いってイベントしました。終わり。

 クールジャパン戦略最初の文書http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/creative/kisoshiryo.pdf  よくある「産業構造の転換」論としてのクールジャパン戦略。世界の文化産業のシェア1割ゲットが「戦略目標」。なんの実体もなし。典型的なクローズド・レジーム。

 クローズド・レジームの解説は、若田部昌澄「最先端を行くリフレ・レジーム」(2013、『Vouice』7月号)の次表を参照のこと

 クールジャパン戦略では、政府出資が絡んでて、(株)産業革新機構 この文書における唯一つのコンテンツ仲介として中核に位置づけられている。機構には財政投融資特別会計から2660億円出資http://www.incj.co.jp/about/shareholders.html 同機構は株式会社(民間も出資している)とはいえ、事実上の政府主導の産業政策の中核組織(最大株主は財務大臣)。

 産業革新機構の組織概要。http://www.incj.co.jp/about/overview.html 政府保証枠は1兆円超。クールジャパン戦略は同機構の事業のごく一部ではある。ただし、先ほど指摘したように、クールジャパン戦略(2012年1月の最初の文書)では、典型的なクローズド・レジームの中での中核組織的位置づけであり、補助金、産業政策、特定企業・産業の利害重視、裁量的などを行う。

 クールジャパン戦略(2014年7月文書)http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/creative/120703_cool_japan_strategy_2.pdf  海外コンテンツ戦略の中核としての産業革新機構による活動の重視。グロザス、出版デジタル機構、ANEWなど同機構の出資会社の活動を紹介。同機構の出資の大半は事実上の「税金」だ。

 ちなみに(クールジャパン関連は一部にすぎないことを留意してもらいたいが)産業革新機構の最新事業報告をみると創立以来毎年の純損失計上(昨年度は100億円近く)。理由は簡単にいうと投資先の失敗のつけ。http://www.incj.co.jp/PDF/report130701_01.pdf

 新産業革新機構の融資先(24年度60億円)で、先のクールジャパン戦略文書その2でもとりあげられているANEWのホームページ http://www.an-ew.com/ja/  ただし事業内容、コラボ―レーション企業などのページは空白。ほとんど情報らしいものがわからない。

 産業革新機構と出版社との共同出資の企業、出版デジタル機構http://www.pubridge.jp/  これもクールジャパン戦略での核になる企業として上からいきなり位置づけ。

 そしてクールジャパン戦略文書にでてくる核になる企業三社目(産業革新機構を入れると四社目)のグロザスhttp://www.gloczus.com/  これは役員をみると社外取締役産業革新機構ニフティから出ている。社長など役員の前歴は他の産業革新機構なども含めてこれから時間みつけて調査。

 グロザス、出版デジタル機構(これが凸版印刷の子会社を買収したことも要チェック)、anewなど少なくともホームページ情報からは経営実態ぽいものがよくわからない。とりあえずホームページ情報からは僕にはよくわからない企業群が、日本のクールジャパン戦略の中核でいきなり文書に登場。このクールジャパン戦略の基本文書(2012年7月)http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/creative/120703_cool_japan_strategy_2.pdf  の6ページ(下記の図表参照)にいきなり、ANEW、出版デジタル機構、グロザスがクールジャパン戦略の中核企業として登場。先ほど書いたように僕には実体がよくつかめない。

政府経由のお金の流れ(民間出資は無視してるので注意)でまとめると、財政投融資特別会計産業革新機構⇒(ANEW、グロサス、出版デジタル機構)という感じ。これが日本のクールジャパン戦略お金の流れ編の一部。