ブラード・セントルイス連銀総裁のFOMC「出口戦略」をめぐる声明への異論

 ブラード・セントルイス連銀総裁が、FOMCの出口戦略をめぐる声明やバーナンキ総裁の発言について異論を表明している。
 http://www.stlouisfed.org/newsroom/displayNews.cfm?article=1829

 要旨は、状況読んで判断すべきで、中銀の政策はカレンダーで決められた通りに進めるべきじゃない、とのこと。特に冒頭はインタゲの目標枠から外れるデフレリスクについて警鐘している。

 このブラード発言を補強する講演資料は以下に。

http://research.stlouisfed.org/econ/bullard/pdf/BullardMontreal10June2013Final.pdf
 内容のポイントは、1)コアインフレ率が下振れリスクあり、2)失業率は下降していて6.5%も予想可能、3)インフレ率が低いので積極的な資産購入の継続可能、4)リスクテイクな活動も限定的である。規制改革の効果(ドット・フランク法)の効果を、ブラードは高評価していて、それが現在、過度にリスクテイクな金融活動がみられない原因のひとつとしている。

 ドット・フランク法の学生向けの概説は、バーナンキの『連邦準備制度金融危機』を参照のこと。わかりやすく解説されてる。

連邦準備制度と金融危機―バーナンキFRB理事会議長による大学生向け講義録

連邦準備制度と金融危機―バーナンキFRB理事会議長による大学生向け講義録