浜田宏一イェール大学教授「経済学の現実を無視する菅内閣と日本銀行が国を滅ぼす」聞き手:高橋洋一 第1回 

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 すでにネットでは公開していまだ数時間しかたっていないが大評判のこの対談。僕も初めて確認したことがいくつかある。どちらかというとジャーナリスティックな面になるだろうか。

 まず複数の証言がすでにあった福井前日銀総裁が就任前から政府とデフレ脱却の約束を交わしていたことに関連して、以下の高橋さんの証言だと、その実施を事実上政府側から監視していたのが、当時の竹中平蔵経済財政担当大臣であるということ。確かに印象的には改造後、竹中氏が離れた後、与謝野大臣になってからデフレ脱却に関しては政府内論争(成長論争)も生じるなどかなり停滞した。事実上、日本のデフレの継続に承認を与えたのが、与謝野氏であり、また実施したのは福井日銀であった。とくに量的緩和解除時に国会などでゼロ金利のマイナスを訴えていた白川方明日銀総裁の証言も忘れるべきではない。つまりいまのデフレ継続は、民主党政権内で同じポストにいる与謝野氏、日銀総裁になった白川氏、そして20年間の「失われた20年」の節目節目の危機において財務(大蔵)大臣などをつとめた「円高=デフレ」論者であつ藤井官房副長官という、デフレ三人組によってデフレコントロールされている可能性が否定できない。

 そんなことを裏付ける高橋さんの発言である。

高橋: 竹中さんが経済財政担当大臣のときは、福井総裁とよく会って日銀と議論していました。

 日本銀行の決定について政府の窓口は財務省と経済財政担当大臣なんですね。そこでもし日本銀行の態度が政府の意に反していれば、例えば政策決定会合のときに議決延期請求権を使って決定にストップをかけることもできるんです。竹中さんは議決延期請求権も真剣に検討していましたからね。

 だから竹中さんが経済財政担当大臣のときには日銀も比較的よくやっていたんですけど、竹中さんが離れたら福井さんはもう全然・・・。

 あとこれはかなりの変化球だが、与謝野氏と日銀元理事との関係が示唆されていて刺激的である(笑

高橋: 与謝野さんが日銀を擁護するのは、とても近い関係の方がいるからかもしれません。

浜田: そうなんですか?

高橋: 日銀の理事でした。現在、その人はトヨタファイナンスに天下っていますが。

 そういう関係もあってか、与謝野さんはもともと日本銀行に対してものすごく好意的ですよ。「好意的」というより、「日本銀行のことについてとやかく言うな」という感じでした。

 

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