『バットマン:アーカム・アサイラム』&『ヘルボーイ:壱&弐』

 小学館集英社プロダクションの海外コミックでの活躍が止まらない。アマゾンなどの古書では高額で取引されていたアーカムアサイラムがまさかの復刊である。このマニアックなエピソードは、映画版のバットマンの深みが多くの観客を得た今現在の方がより出版にふさわしいタイミングかもしれない。勧善懲悪のヒーローはすでに滅んだ。ヒーローの内面を掘り下げていくその深度は、この作品で頂点のひとつを成し遂げたといえるであろう。いま読んでもその画面の陰影から、描かれていない何者かが潜んでいるかのような、そんな雰囲気が充満している。まさに狂気の作品であろう。

 『ヘルボーイ』の復刊も嬉しい。最近の三部作の最後の作品が翻訳されれば、ヘルボーイに関しては日本の読者はかなり恵まれた読書環境を手にすることになる。

 しかし近刊予告をみたら、BDのアンカルも驚くが、それよりも『Kingdom Come』がまもなく出ることに本当にびっくり。一部訳されてたはずだが、まさかいまになってこの名作の完訳を読めるなんて。幸せである。

ヘルボーイ:壱 ?破滅の種子/魔神覚醒? (ShoPro Books DARK HORSE BOOKS)

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ヘルボーイ:弐 ?チェインド・コフィン[縛られた棺]/滅びの右手? (ShoPro Books DARK HORSE BOOKS)

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