不況の下での解雇規制の緩和

 ここhttp://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20090107#p3にも書いたんだけれども、こちらの方にも表現はちょびっと余計なもの省いてw移植。まあ、異論もあるかと思うけれども僕は不況の下での解雇規制の緩和なんてものに努力を傾注するよりもやることはゴマンと、いやたったひとつだけ=リフレ があるのみ。

 雇用の流動化には需要サイドと供給サイドそれぞれの改革がある。それと解雇規制問題も需要側と供給側をみなくちゃいけない。

 例えば、解雇規制は、解雇コスト(雇用コストと表記しても同じ→解雇された者への解雇手当となる)をあげている。ところが重要なのは、解雇規制を緩和したときに、社会全体のコストがどうなっているかなんですよね。だから解雇規制を緩和して解雇コストが低下するから労働需要が増加して終り、なんて部分しかみない(しかも部分すらも満足にみてない)シナリオではまったくダメ。

 それと、そもそも解雇規制があるということは(賃金は硬直性を有しているので)、それは解雇規制がないときよりも雇用増を生み出していることにも注意が必要、また解雇手当が生じているのでその分も解雇される人の負担するコストは小さい。他方で企業の側は規制があると解雇コスト増、そして(賃金が硬直性を有しているので)割高な賃金支払いをしている。

 問題はこの解雇された人と企業の側のふたつ合わさったコストが、規制があるときとないときでどう違うかの比較。

 ところでこのふたつ合わさったコストをどうみるかで実際には見解がわかれている。

 僕は前も書いたように、解雇規制を緩めても、(1)企業の解雇コストなどが減ること、以上に、(2)雇用の減少や解雇手当が減ることの社会的損失が大きいと判断しているわけ。それは不況が強まれば強まるほど、解雇規制を緩めると(1)よりも(2)の方がはるかに上回ると判断しているから。

 その証拠? それは雇用の流動化が曲がりなりにも90年代から00年代にかけて進展したけれども、それ以上に90年代から00年代当初において失業率が増加したことでもわかるんでないの? ましてや今回のハードアタックの衝撃を、解雇コストの低下で吸収できると思うのはちょっと現実的じゃないでしょう。

 だからリフレ汁、以上。