与謝野大臣の発言を考える

 ちょっと昨日はお昼休みにエントリーを書いた以外は講義と群馬から東京への帰宅とその後の長時間の取材(三時間)うけてたのでヘロヘロになってバタンキューろくに経済ニュースチェックしてません。svnseedさんのところが更新してあったので、馴れ合いコメント書きますがお元気でなによりです。そこで知ったのが「政策通」*1与謝野大臣の発言でした。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-34564720081028

 いろいろ突っ込み点があるんですが、もし日本銀行の独立性が「手段の独立性」を示すのであれば、コールレートの誘導目標を下げることが「効果がない」「国際協調を示す象徴的意味しかない」と政府の経済閣僚がいうことは日本銀行の独立性を明白に犯します。

 日本銀行は付き合いでコールレートを下げるというならばほかの国もつきあいで下げているというのがこの大臣の理解でしょう。効果のないものを金融政策として日本銀行が行うと評価して、日本銀行の政策に疑義をはさむことこそが、日本銀行の政策に対する信頼を損ねる行為だと思います。いったい先進各国の経済閣僚で「うちの中央銀行が利下げをしようとしているがそんなの効果ない」と明言する大臣がいるでしょうか? いたとしたらその発言自体が大問題でしょう。例えばポールソン財務長官が「FRBがどうも利下げを考えているようだがそんなの効果はないね」と発言したとしたらどうなりますか? 大騒動でしょう。中央銀行がこれから行うであろう政策判断を政府側が疑義を挟んでいるとしか理解されないでしょう。

 その一方で金利水準自体(0.25下げるのかとか0.5%下げるのとかそういう話ですよね)をどうこういうのは日銀の独立性を損ねるので発言は控える、といっていて、その複雑怪奇に捩れた日本銀行の独立性についてのこの大臣の理解は「本当に大丈夫?」なのかと真剣に思います。

 まあ、どのマスコミもこの与謝野大臣の明白な日本銀行の独立性への侵犯をスルーするんじゃないでしょうか(ロイターの記事しかいまは読む気力なくこれ書いたらまた少し眠りますが 笑)。むしろ与謝野大臣でさえも「国際協調の観点から」利下げを示唆している、という形で評価するんでしょうが、それって本当にただの政治分析や床屋政談レベルの話で、およそ経済問題を報道する姿勢とはいえないでしょう。

いったいこれってどうして日本でスルーされんでしょ?*2 

*1:日本では政策や経済・社会問題自体への理解の深さを示すのではなくあくまでも省庁の話をよく聞きシンパシーを抱くその感情的な深さの意味で官僚側が使い、それをマスコミがありがたく借用する称号と思われる

*2:まあ、それだけこの国ではなぜか日本銀行への評価が奇妙に歪んでいるということなんでしょうね