ロバート・フランクの『オデッセウスの鎖』(原題:理性の中の熱情)でも議論されていたトリヴァースの自己欺瞞に関する論点は、hicksianさんから頂いた拙著の感想の中でも言及されていたコウェンの業績などがありますが、今日のアメリカの外交政策と関連させて、トリヴァースとチョムスキーが対談しているものの翻訳を見つけましたのでご紹介。
optical_frogさんのところです。
http://d.hatena.ne.jp/optical_frog/20080220/p1
http://d.hatena.ne.jp/optical_frog/20080221/p1
対談中の「ファインマンによるNASAとチャレンジャー号事故の有名な分析」の逸話が非常に興味深い。
5thstar_管理人_日記http://5thstar.air-nifty.com/blog/2005/12/appendix_f.htmlさん経由で以下のものだとわかりました。
Personal observations on the reliability of the Shuttle by Richard P. Feynman
http://www.virtualschool.edu/mon/SocialConstruction/FeynmanChallengerRpt.html
あと自己欺瞞に関するものとしては、チョムスキーも上記の対談の冒頭であげているように、アダム・スミスが外せないと思われます。以下は今回、検索して見つけたものです。
Adam Smith’s Account of Self-Deceit and Informal Institutions
http://dev.ulb.ac.be/dulbea/documents/1135.pdf
これも関連するでしょう(例の合理性と非合理性に伴う論点)
Foolishness and Identity: Amartya Sen and Adam Smith
http://dev.ulb.ac.be/dulbea/documents/1233.pdf
自己欺瞞や非合理性などの問題は事実上まだほとんどわかっていない問題じゃないのか、というのが僕の偽らざる感想です。それとも包括的な研究とかあるのでしょうか?