コアCPIプラス、FRB利下げ観測濃厚、日銀は金利上げモード放棄が最善


 コアCPIがほんのわずかプラスになったことが、すべて日本銀行金利上げモードへの貢献「だけ」で評価される不幸な日本であるわけですが。それと「生活実感」からの恐怖をこのコアCPIのプラス転換になんとか読み取ろうという必死の努力も伺えるメディアの報道がありました。こうなると電化製品の「価格競争」は「生活実感」を曇らす「悪」のような扱いとなっております。棒読み。


 あとバーナンキ議長が利下げ容認ぽいことを発言したということですが、もし利下げするならば50ベーシスポイント以上下げないと劇的な効果はでないと思いますので、ここはきちんと市場の期待を裏切っていただきたいと思います。とはいえメンバー内の不協和音が全開になってしまう可能性もあるでしょうから難しい舵取りですね。もし逆の方向で裏切られるとアメリカはいざしらず日本の株式市場はガタガタときてしまいますね。


 日本銀行には床屋政談的にいえば福井総裁のもとではインタゲ導入は日銀政治的に無理でしょうから、せめて金利の正常化路線の放棄(=金利上げについてなにも言及せずに「柔軟」対応を明言する措置)を切におススメします。日本経済の状況をみると実態(失業率、予想成長率)、名目(国債利回り低下、CPIのゼロ近傍への貼り付け、株価の不安定な動き、為替高傾向など)、明らかにゼロ金利量的緩和政策放棄後の日本銀行金利正常化政策(人によっては漸進主義)は限界にきています。なにもしないでいる、というのも一つの「大人の智慧」のように思えますが、そういうところで智慧を働かせるのはもう見飽きたし、迷惑である、というのが率直な感想ですね。