FRB利下げ、政策転換をより鮮明に。海外経済ブログはバーナンキ祭り状態へ


 4.75%へ。意見がわかれてましたが予想範囲の最大値(50ベイシスポイントの下げ)の方へ*1


http://www.federalreserve.gov/newsevents/press/monetary/20070918a.htm


 資産市場が不安定なのが成長を制約する可能性があるために利下げ。ただしインフレ懸念は払拭されてないので今後も動きには注視する、ということです。しかし個人的には(市場予想の)最大限の幅をさらに上回ってほしかった 笑*2。もっとも今後の利下げ継続のスタンスでピッチよくいかないと市場の反応はよくないでしょうね。すでに今回は最大限の幅とはいえつまりは予想されていたわけですから=効果ほぼなし。今後が問われるでしょう。


 あ、でもいまいろんなとこ巡回したら、下げ幅に驚いてる人もいるようなので(^^)/ 効果期待できるかも


 (Thoma先生は驚かれました)
 http://economistsview.typepad.com/economistsview/


 (Rouibini先生は市場参加者は驚くだろうが、僕はまだまだ物足りないよ、とおっしゃってます。これ読むとなんだか僕まで悲観論者のRouibini先生といまや大して変わらないことを下げ幅スタンスのあり方だけに関してはいっているわけで政策転換の勢いを実感しますです)
 http://www.rgemonitor.com/blog/roubini/215486


 こことかここではコメント欄が大騒ぎ 笑。


株価もいまは急激に上昇中。


 日本版ブルームバーグの方では、フォード元アトランタ連銀総裁のコメントが読めますが、まあ、確かにインフレ懸念の一文は意外感があるかもしれませんが、事実認識としては在り得るのでいれてても別段「中立」的な印象はないのですが。それよりも実質利子率をさげすぎるとバブルの下地ができるとのことですが、バブルがなにかはバブルが終わったあとに議論するとして、少なくとも資産市場の下振れリスクを懸念している利下げなんですから資産価格が上昇/安定してくれないと困りますから、市場の利下げ継続期待を打ち消す必要はない、と僕は思います。
 

 それと今後の日本への影響ですが、政治的な制約(例:国会の混迷、次期総裁選出混迷など)に配慮するスタンスが濃厚なわが国厨銀は、さらにこのFRBの利下げ、ECBの利上げモードの放棄などをうけて、前にも書きましたが年内の利上げはほぼなし。さらに福井総裁辞任までない、と見るのが自然でしょう。というか次期総裁がちゃんと決まるのかさえも不透明。(ーー;)。


 経済の実体・名目面では、日本では当面は円高にふれるかどうかがひとつのポイントでしょう。円高傾向の可能性は大きいように思えますが(僕はなるべく避けたい=無視してもいい論点ですが 笑 キャリートレードの逆流ぽいのがあればなおさら)。

*1:これは例えばブルームバーグ本家の調査では、The half-point reduction in the federal funds target was forecast by 23 of 134 economists surveyed by Bloomberg News. One hundred and five predicted a reduction of 25 basis points while six forecast no change. A basis point is one-hundredth of a percentage point. と紹介されております

*2:ここにも書いたけれども利下げするならドカンと http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20070910#p3