ジェイムズ・ミルの経済学とイギリス帝国の形成を語る:前編(AJER動画)

 今週は、J.S.ミルの父親であり、古典派経済学のキーパーソンであるジェイムズ・ミルの経済学について二週にわたって語ります。ミルの業績は、長くイギリスの植民地支配のテキストとして利用され、そこにはイギリス帝国の形成期の考えやまたオリエンタリズム(サイード)と批判的に検討される要素が混在しています。また日本の植民地政策にも古典派経済学はアダム・スミスをはじめ影響を与えていてそのことについても言及しました。相変わらず専門的で通にも喜んでもらえる内容ですが、たぶん経済学初心者もわかります。お楽しみください!

youtube動画
http://www.youtube.com/watch?v=7OY-JgHLikA
http://www.youtube.com/watch?v=-l-lB8vBML4

ニコニコ動画
http://www.nicovideo.jp/watch/sm19786384
http://www.nicovideo.jp/watch/sm19786412

高城幸司『「自分を売り込む力」のつくりかた』

 ちょっと前にいただいていました。ありがとうございます。これはとても正統派の自己プレゼンテーションの入門書としていい本ですね。文章もわかりやすく、またすごく基本的で社会人ならば一昔、ふた昔前ならばあたりまえで説明不用と思われていた基本的事柄もやわらかい言葉で説明している。大学生や就職活動をしている人にとても役立つ内容です。

実はこういう基本的なビジネスマナーを含んだ、自己プレゼンの本はそんなにないんですよね。みんな個性や企画の狙いが強くですぎて、学生とかにすすめられない。その意味で、学生たちに紹介したい本です。

西脇千瀬「幻の野蒜築港 明治初頭、東北開発の夢』

 河上肇賞本賞受賞作の刊行です。本書は、明治初期に宮城県の漁村だった野蒜にいきなりふってきた国際的な貿易港計画、つまりインフラ整備にともなうブームを、当時の埋もれた資料を発掘し、再考した作品です。しかも本書を書く過程で東日本大震災が起き、野蒜築港の記憶はさらに消失してしまいました。

 その地方が近代を迎えてみた夢の記憶の、近代的なンフラ整備の記憶がどのように失われていくのか。地味なテーマにみえて、これはまさに日本の記憶の批判的な再現でもあるのです。

幻の野蒜築港 〔明治初頭、東北開発の夢〕

幻の野蒜築港 〔明治初頭、東北開発の夢〕