安倍晋三第二次政権に期待すること

 以下は12月17日に勝間和代さんがFacebookで書かれた記事をそのまま転載したものです。僕の言いたいこともほぼすべて盛られています。文章自体は選挙の結果をうけてのものですが、もちろん今日の新政権発足にこそ妥当する内容です。

 いまの日本は本当にぎりぎりのところまで来てしまったように思えます。いまこそ新政権のみならず、心ある政治家の方々、官僚の方々、そして国民のみなさんの力が求められます。頑張りましょう。

勝間和代さん(12月17日記)

新政権に望むことは、「言い訳の効かない」金融政策の実行。そこから、私たちの再生はスタートします!!2012.12.17[ これからしたいこと ]

選挙の結果が出ました。国民が選んだのは変化であり、改革への前進です。

そして、新政権に望むことは、何があっても

「言い訳の効かない」金融政策の実行

です。自民党が政権を失い、そして、民主党がまた倒れた大きな原因は長引く不況であり、その背景は円高とデフレであり、そのさらなる原因は金融政策の失敗にあります。

長引く過度な円高の是正、デフレの脱却による雇用促進のためには
物価上昇率目標を導入する
・ドル、ユーロに負けない金融緩和を実行する
ことが不可欠になります。

これまで、日銀が口先だけでなかなか実行を伴ってこなかったのは、自分たちのせいでないと言い訳をしたり、あるいは、決してクビにならないような過度の独立性という、「逃げ道」があるためです。なので、逃げ道をふさぐためには

・「物価上昇目標」と「雇用目標」を明確な義務として、日銀法に明記する
・この2つを守れないときには、日銀総裁の罷免の権利を政府(=国民)が持つ

ということが必要になります。

デフレと円高を退治しなければ、どんなに消費税を上げようが、どんなに公共投資をしようが、穴の開いたバケツに水を注ぐようなものです。

幸い、次の首相になるだろう、自民党総裁の安部氏はこの点について深い理解があり、選挙戦時代から、物価上昇率目標の導入と、日銀法改正の必要性、より強力な金融緩和の必要性について明言しています。

どうか、応援していこうではないですか。前回のように、マニフェストを守れなかった(守らなかった)民主党の二の舞はもうごめんです。

私たちのメッセージ、サポートが新政権への力です。どうか、結果が出るまで、応援しようではないですか。

自民党のためでもなく、政治家のためでもなく、私たちの生活と雇用と、そして、子供たちの未来のために!!

補足で、安倍首相が目指す物価目標(2%以上、インフレ目標ともインフレターゲットとも呼称される)についての正確な理解が可能なわりと新しい著作を以下に紹介します。

日本銀行 デフレの番人 (日経プレミアシリーズ)

日本銀行 デフレの番人 (日経プレミアシリーズ)

インフレとデフレ (講談社学術文庫)

インフレとデフレ (講談社学術文庫)

伝説の教授に学べ! 本当の経済学がわかる本

伝説の教授に学べ! 本当の経済学がわかる本

アメリカは日本経済の復活を知っている

アメリカは日本経済の復活を知っている

昭和恐慌の研究

昭和恐慌の研究

ジェレミー・ベンサムの経済学を語る:後編(AJER動画)

 年内最後の経済思想史塾です。来年第一回は古典派経済学の植民地論を予定しています。今回から利用した文献もなるべく末尾に掲載します。

ニコニコ動画
http://www.nicovideo.jp/watch/sm19673613
http://www.nicovideo.jp/watch/sm19673784

youtube動画
http://www.youtube.com/watch?v=_ZEfdIWXHeo
http://www.youtube.com/watch?v=3XQiS2XrGYw

ベンサムの現時点での最良の著作は以下のもの(最初のは論文)

経済思想〈4〉経済学の古典的世界〈1〉

経済思想〈4〉経済学の古典的世界〈1〉

ベンサム (イギリス思想叢書)

ベンサム (イギリス思想叢書)

ベンサムの著作の抄訳などは以下がいい(前者にパノプティコン書簡が収録されている)。
人類の知的遺産〈44〉ベンサム

人類の知的遺産〈44〉ベンサム

世界の名著〈第38〉ベンサム,J.S.ミル (1967年)

世界の名著〈第38〉ベンサム,J.S.ミル (1967年)

ベンサムの簡単な全体像を与えてくれるもの。
ベンサム

ベンサム

  • 作者: J.R.ディンウィディ,J.R. Dinwiddy,永井義雄,近藤加代子
  • 出版社/メーカー: 日本経済評論社
  • 発売日: 1993/06
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る
ジョナサン・ライリーの哲学的急進主義の5つの特徴を明記した論説は以下に収録
Principles of Political Economy and Chapters on Socialism (The World's Classics)

Principles of Political Economy and Chapters on Socialism (The World's Classics)

ベンサムの救貧論関連の著作集の第1巻
Writings on the Poor Laws (The Collected Works of Jeremy Bentham)

Writings on the Poor Laws (The Collected Works of Jeremy Bentham)

番組の中で紹介したパノプティコンの図表は以下の最新のベンサムの救貧論関係の著作集第二巻に収録されている。
Writings on the Poor Laws (The Collected Works of Jeremy Bentham)

Writings on the Poor Laws (The Collected Works of Jeremy Bentham)

以下の本はベンサムの同性愛関係の証言の研究、植民地問題の解釈など斬新である。ベンサムの経済学関係の著作集は、番組でも言及したケインズが依頼したスタークによる以下の三分冊が長く使われてきた。ただし未収録のものが多く上記の救貧論関係やまた流通年金関係などを収録すると思われる経済学関連の新著作集が準備中と聞く。ちなみに以下のアマゾンのリンク先はそのスターク版の新版のようだが、僕が利用したのは最初に刊行したもの。
Jeremy Bentham's Economic Writings: Volume One

Jeremy Bentham's Economic Writings: Volume One

Jeremy Bentham's Economic Writings: Volume Two

Jeremy Bentham's Economic Writings: Volume Two

Jeremy Bentham's Economic Writings: Volume Three

Jeremy Bentham's Economic Writings: Volume Three

今回の収録には間に合わなかったが、以下の研究書がまもなく出る。ただし同じ著者の植民地関係の講演録などを読んだ(ここ)。
ベンサム―功利主義入門

ベンサム―功利主義入門

番組中で言及したミッシェル・フーコーの著作は以下
監獄の誕生―監視と処罰

監獄の誕生―監視と処罰

番組収録に届かなかったので利用できなかったが、以下のパノプティコンの書簡集は読みやすい装丁。
The Panopticon Writings (Radical Thinkers)

The Panopticon Writings (Radical Thinkers)