日本を破滅させたい人たち

AJERでの倉山満さん司会、上念司さんと僕との鼎談が動画アップされています。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm17698162
http://www.nicovideo.jp/watch/sm17698266

テーマはずばり「変態御用一般人」ですが、それはこちらをご覧いただけると誰を指すのかわかると思います。

鼎談の主要テーマは、日本を本気で滅ぼしたい人たちとは誰のことか、その具体的な経済メカニズムはなんなのかを政治経済的なアプローチ全開で語りました。

そもそも財政政策も金融政策も、日本が持つ固有の政策手段です。景気が悪くなればこれらを広義の政府(通常の政府+日本銀行)が行なう自由を有するのです。そして財政政策と金融政策がそれぞれ景気の安定化に貢献すること、これを経済政策の「自律性」と表現しています。

この経済政策の自律性は、いまも書きましたが政府の権能です。しかしこの自律性を自ら放棄しているのが、この20年間以上の日本のすがたです。

日本銀行の金融政策に特に絞ってみましょう。80年代から米国の重商主義的な圧力(貿易赤字を減らすために円高にしろなどというもの)にさらされ、日本銀行は対ドルレートの動向を意識し、自国の景気安定化よりも円高ドル安を意識した「円高シンドローム」に陥ることで、継続した円高傾向(その裏面でのデフレの継続)を放任した疑いが、実証的に濃厚です。

つまり他国の利害を意図的に配慮しすぎたために、日本の失われた20年の起動因が説明できるのではないか? そう私は思っています。さらにドルと中国元は連動していることで、これはまた中国の元を過剰に元安円高にすることにも貢献していることになります。

米国の重商主義的な圧力が、こと為替調整という次元では、90年代前半に比べると明らかに減速している中で、いままでもそうですが、今後より注目すべきなのは、日本銀行が中国の元との相対的な通貨価値の変動を意識しすぎた政策をとらないかどうか、それを日本の政府が後押ししていないかどうか、そこに政治経済学的な注目が置かれると思います。

海外の圧力自体は実はそんな問題ではないでしょう。いつの時代でもそのような海外の政治的な圧力は存在します。問題なのは国民へのろくな説明もなく、それに屈してしまい、我が国の経済政策の自律性を放棄している、日本銀行と政府の在り方に問題があると私は思います。

この問題について私たちは前記の動画でさまざまな側面から議論しました。

「復興増税」亡国論 (宝島社新書)

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