『日本銀行百年史』全文ネット公開
いま知人からメールきて知りました。これは便利。
『日本銀行百年史』全文ネット閲覧http://www.boj.or.jp/type/pub/hyakunen/index.htm。
ただしもちろんザ・日銀理論からの通史なので、僕と同じような立場の人は特に、くれぐれも注意して読まれるように。
岡田靖「小幅で頑固な日本のデフレーションは問題か?」
岡田さんのリフレーション政策のベースになると思われる代表的論文をhicksianさんが日本語訳しました。素晴らしいことです。
この論文と岡田靖・浜田宏一「バブルデフレ期の日本の金融政策」(『デフレ経済と金融政策』)は対をなす重要な論説だと思います。
それとこの岡田さんの論文を読むには、岡田さんがよく言及していたマッカラムの業績を学んだ方がいいでしょう。あとこれも岡田さんがお薦めしていた簡単な経済動学の入門書(マッカラムモデルの説明がある)とを同時並行的に読んだ上で、岡田論説と岡田・浜田論文を読むと、より深い理解を得ることができると思います。
岡田・浜田論文は以下に収録
デフレ経済と金融政策 (バブル デフレ期の日本経済と経済政策)
- 作者: 内閣府経済社会総合研究所,経済社会総合研究所=,吉川洋
- 出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会
- 発売日: 2009/11/01
- メディア: 単行本
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マッカラムの教科書は以下(特に定常インフレのところが岡田論文を読むときに重要)
- 作者: ベネット・T.マッカラム,Bennett T. McCallum,昼間文彦,金子邦彦
- 出版社/メーカー: 成文堂
- 発売日: 1997/06
- メディア: 単行本
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さらにこの和田氏の動学入門はぜひ最初から読まれることを。途中で上のマッカラムのNew IS-LMモデルなどの説明もある、マッカラムの教科書と同時に読むといいでしょう。
- 作者: 和田貞夫
- 出版社/メーカー: 中央経済社
- 発売日: 1989/04
- メディア: 単行本
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偏差値40から良い会社に入る方法インタビュー編
今日の日経ビジネスオンラインは、かなり前に取材うけたまま、いきなり今日掲載されていて驚きました。事前連絡も内容の確認もなかったので。しかし他の人(偏差値本でお世話になったライターの河合香織さん)からTwitterのリツイートで自分のことを知るとはすごい時代になりましたね 笑
さて日経ビジネスオンラインだと(記事の性格上しょうがないかもしれませんが)記者の方の主観でかなり極端かつ単純化されているところもあるので、できましたら以下のHuman Lavatoryの記事や、拙著『偏差値40から良い会社に入る方法』(東洋経済新報社)などを参照ください。
インタビューはこちらhttps://hclab.jp/opinion/interview/13.php
よく思いますが就職市場や就職指導というのはやはりある程度の経験がないとわからないことが多いと思います。残念ながらネットではそういう経験も知識もないのに、例えば「就職するより起業が簡単」だとかその類の珍説が独り歩きしていてたまに驚きます。
しかも本書は偏差値という区切りが依然として幅を利かせている就職市場(特に大手人気企業)へのある種の批判(偏差値が低くても高くてもそれとは関係なくいい就職ができる)を書いたのですが、どうも内容もろくに理解されないまま、ネットでは頻繁にあることですが、題名の勝手な印象だけで偏差値重視の本だと決めつける意見もたまに見ます。だいたいはちゃんと理解していただいているので嬉しいことなのですが。
- 作者: 田中秀臣
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2009/11/20
- メディア: 単行本
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毎日新聞岡山便り(by石戸諭記者)−奥平寛子氏の「経済学的思考法入門」
石戸記者の新しい試み。奥平准教授の経済学的思考法入門。
http://mainichi.jp/area/okayama/news/20100414ddlk33040631000c.html
偏差値40でも内定率が高い大学:日経ビジネスオンライン(田中秀臣インタビュー)
佐藤 紀泰(日経ビジネス編集委員)さんに取材をうけた記事が日経ビジネスオンラインに登場。コンパクトに現在の世界経済危機における日本の大卒就職市場の現状や就職法のヒントをまとめていただいてます。
ぜひ一読ください。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20100408/213905/
田中秀臣『デフレ不況 日本銀行の大罪』(朝日新聞社)半月後に登場予定
新刊のお知らせです。いままで考えてみれば日本銀行の政策を厳しく批判していたものの、日本銀行の政策だけを中心にした本は一冊も書いていませんでした。自分としても考えてみれば不思議なことでした。近い内容のものとしてはバーナンキの本がありましたが。いずれにせよ、デフレ不況、そして日本銀行の政策を戦前から現在までの歴史的視野、リーマンショック後の世界経済、そして政府と日本銀行の政策との関連など、いくつかの視点から、自分としては最大限の努力で、日本銀行の経済政策を批判的に検討したと思っています。
早ければ再来週の金曜には首都圏の大型書店に並び、そしてそれから数日以内には全国で皆さんのお目にとまることでしょう。自分でいうのも恥ずかしいのですが、あえていわせてほしいのですが、いままで書いた政策論争関連の書籍の中では、自身の最高作だと自負しています。いろいろな方々から情報を得、また文章や構成もここ数作の経験を生かしてスキルアップしたと思っています。
もう一部のネット書店では予約できるようですが、ついに朝日新聞社から脱デフレの単行本がでることになります。時代は大きく変わりました。
予約できるネット書店
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refBook=978-4-02-330813-8&Sza_id=MM
http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1102907301/subno/1
岩田規久男先生の『日本銀行は信用できるか』、そしてまもなく脱稿予定と聞きます上念司さんの『日銀貴族』(仮題)と合わせて、Twitterで「日銀三部作」(著者は違いますが)と呼称されていました。名誉なことです。
- 作者: 岩田規久男
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/08/19
- メディア: 新書
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またぜひ他の本も合わせて読んで頂けると嬉しいです。一冊は大学生の就職の仕方、その問題について率直に書いた『偏差値40から良い会社に入る方法』。そしてもう一冊は、他の論者とともに日本の経済思想の中で遺伝子の継承のように続く「病」を明らかにした講演録です。