『マップス・ネクストシート』ほか雑情報


 と学会の待ち時間で読む。本当に『マップス』の続編だったのか。60年後の。ほかに『神聖喜劇』をようやく全巻そろえたので後で読むつもり。田中圭一氏の本もなぜか入手。ほかに東京河上会関連で斎藤貴男梶原一騎伝』と関川夏央『知識的大衆諸君これもマンガだ』を並行して読んでいる。感想は五月雨式にこのエントリーで追加予定。


マップス ネクストシート 1巻 Flex Comix

マップス ネクストシート 1巻 Flex Comix


 これもバンド・デシネなんだろうかよくわからないが、ジュンク堂での小野耕世先生たちの話題になったマルセル・プルーストの『失われた時を求めて』の原書(フランス語の、これは夏休み中に届くのかな。少し時間かかる)ではなく、その第1巻の英訳がきたので読んでみるが、そんなに悪くない。フランス語とドイツ語も読むだけならそんなに不自由しないので、昨日のと学会その他でもなんの疑問ももたずにあれだけの高い水準の読者層が、一部の特権会員(笑)の「フランスアニメ」などの発言を真にうけてしまうのはちょっともったいないことなので、英語と高円寺(笑)界隈での日本だけにとどまらないで予算制約・時間制約の中ですこし情報をあつめてみることにしたい。


 個人的には韓国語をどうにかしたいと思うんだけども結構難しいぜ(ーー;)。

Remembrance of Things Past: Combray (Remembrance of Things Past (Graphic Novels))

Remembrance of Things Past: Combray (Remembrance of Things Past (Graphic Novels))

 山田芳裕『泣く男』


 見逃していた短編集。初期の太い線の画質から最近の画風に近いものまで満遍なく収録。趣味としては学園ものの「変身男」がいいかな。山田氏の作品はデビュー長編『大正野郎』からのファン。密かに『大正野郎』は同時代的なのでコミックベスト20(多いw)を選べといわれればかならずはいるでしょう。第二巻の最後に「続く」とでていたものだから「続く」をだいぶ長い間探したものです(^^)。『へうげもん』公式ブログからコメントも旧ブログの方ではいただいたのもいい思い出でしょうか。『へうげもん』は織田信長の死からちょっと減速している印象が濃いのですが、これからの利休と秀吉の緊張の深化と両者の死にむけての終盤が楽しみなところです。


 ちなみに山田芳裕ベスト5はといえば、

1 大正野郎
2 度胸星
3 考える侍
4 デカスロン
5 しあわせ

上位二作がともに「続く」で終わっているのが、それもまたいいところですけど。

泣く男―山田芳裕短編集 (双葉文庫 や 17-2 名作シリーズ)

泣く男―山田芳裕短編集 (双葉文庫 や 17-2 名作シリーズ)

 岡崎京子『秋の日は釣瓶落とし』


 岡崎京子の作品を久しぶりに読む。これは初出のときに読んだ記憶があるようなないような。しかし受話器(コードついてるの)を顎ではさみながら、両手で他の事やりながら語るような人間関係みたいな感じ。「弟」の書き込みが足りなく、また「妻」や「母」もよくわからない。再婚相手だけがなぜか登場シーンがほとんどないにもかかわらず妙に生ナマしい。あと岡崎作品の僕からみての読みどころである非情さがないのも残念。同時期に再販されたとおぼしき『セカンドバージン』は未読。


秋の日は釣瓶落とし (アクションコミックス)

秋の日は釣瓶落とし (アクションコミックス)


ところでいままで読んだ岡崎作品をこの機会にあげてみると、『ヘルタスケルター』、『リバーズ・エッジ、『Pink』、『あたしは貴兄(あなた)のオモチャなの』、 『うたかたの日々』、『チワワちゃん』、『東京ガールズブラボー、『恋とはどういうものかしら』、『エンド・オブ・ザ・ワールド』、『ジオラマボーイ パノラマガール 』。太字にしたのがお気に入り。短編集で読んでないのが多いのに気がついたのでそのうちにどうにかしたいものである。

 諸星大二郎『私家版魚類図譜』と恐ろしき四月馬鹿

 鳥類よりもいいかもしれない。「深海人魚姫」と「深海に還る」の連続する二編がやはりいい。特に前者はなんだかまったりとした雰囲気もあり秀逸。そうえば『諸怪志異』の文庫版もいつの間にか出ていたのか。

私家版魚類図譜 (KCデラックス モーニング)

私家版魚類図譜 (KCデラックス モーニング)

 昨日は朝早くから早稲田に本を返しにいったのだが、神田川沿いの桜がとてもきれいだった。特に都電が学習院前から面影橋にむかうところの十字路の手前からの神田川の俯瞰は最高。こんなにきれいな神田川の情景がみれたのか。何年もこの時期に都電にのっているのに、こんなにすばらしいのか日本の桜。帰りの都電は超混んでて景色どころではなかったけれども 笑

そういえば、今日は4月1日。
いつも思うけれども四月馬鹿ってだますほうが馬鹿なのか、だまされるふりをするのが馬鹿なのか、それともだまされるほうが馬鹿なのだろうか? それともみんな馬鹿なのだろうか。いや、これ横溝正史の「恐ろしき四月馬鹿」読んだときからの素朴な疑問。

 小田切博『戦争はいかに「マンガ」を変えるか アメリカンコミックスの変貌 』

 当ブログのいわゆるアメコミ論争で最も勉強になったブログを構築されていた小田切博さんの新刊予告をさせていただきます。

NTT出版の内容説明より
 マンガがマンガとしてあるためにテロと戦争によって自らの表現と対峙した作家たちは、いかにして再び「マンガ」を取り戻したのか?本物の暴力の前ではコミックはあまりに無力だ、とマンガのなかでスーパーヒーローが嘆いている。9-11と戦争という悲惨な現実によって変化を余儀なくされたアメリカンコミックスの変化と再生を追った迫真のドキュメント。

 http://www.nttpub.co.jp/vbook/list/detail/4144.html
 http://www.bk1.co.jp/product/2757198

 中野晴行『謎のマンガ家・酒井七馬伝』


 当ブログにご本人から予告*1を書いていただきました中野晴行さんの待望の新作『謎のマンガ家・酒井七馬伝』がついに発売されました。ここ数日、アマゾンをチェックしまくり早々にゲットしていま半分まで読みましたが、(mixi日記のITOKさん経由で知ったのですが)宮本大人氏がブログで販売促進?国民運動*2を展開されているので一刻も早く、この日本のマンガ研究史に永遠に残る(と門外漢の僕がいうのもなんですがw)名作をご紹介したいと思い読書を中断してここに書きます。酒井七馬氏は事実上の日本のストーリーマンガの原点(具体的には手塚治虫との共著『新寶島』)に決定的な足跡を残した人物で、簡単にいうと現在のマンガ文化の始祖です。しかしこの「始祖」の詳細はほとんど整理されず謎に包まれてました。つまり始原殺しの状況だったわけです。それを中野さんが実証的に関係者への調査などを重ねて書かれたのがこの本です。マンガ好きならば必読でしょう。


謎のマンガ家・酒井七馬伝―「新宝島」伝説の光と影

謎のマンガ家・酒井七馬伝―「新宝島」伝説の光と影

*1:http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20060528のコメント欄参照のこと

*2:26日午後8時半で3000位ぐらいなのでこの運動は成功しましたw 宮本氏のブログより「そんなわけで、マンガ論にご興味をお持ちのブロガーのみなさん、ぜひこの本を紹介しまくって中野さんの目標という5000位以内に入れようではありませんか。大丈夫、「手塚治虫=ストーリーマンガの起源」のマイナス100倍くらいの読む価値はあります。「日本初の本格的漫画史研究」とか「日本初の本格的漫画家評伝」とか銘打つ誇大広告もありません。今どき珍しい、この日本的美徳の持ち主の画期的著作を、大いに盛り上げていきましょう。

 浦島太郎伝説:納得の新(?)解釈


 なんで浦島太郎が竜宮城から持ち帰った玉手箱が空で、それをあけると彼は老人になるのか? 子どもの頃から微妙に納得がいかない思いをしていましたが、『アメリカンコミック大全』で紹介もされてたデビッド・マッズケリの「漁師と乙姫」は細部のフォローが効いていて、この伝説の結末に納得のいく解釈を提供していますね。まあ、不条理に終わってもいいわけですが 笑。


 

Big Fat Little Lit (Picture Puffin Books)

Big Fat Little Lit (Picture Puffin Books)