Comic Nose

スティーブン・グラント (著),マット・サントルコ (イラスト) 堺三保 (翻訳)『2ガンズ』

なかなか面白い登場人物みんな悪人系のハードボイルド。2ガンズ (ShoPro Books)作者: スティーブン・グラント,マット・サントルコ,堺三保出版社/メーカー: 小学館集英社プロダクション発売日: 2013/10/26メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見る

フランク・ミラー『シン・シティ1』(堺 三保訳)

やはり前半の『ハード・グッドバイ』は傑作。後半のはかなり落ちる。善悪二元論では語れないハードボイルド仕様だが、また独自のゴチック的な様式美というか画面構成が面白い。シン・シティ1作者: フランク・ミラー,堺三保出版社/メーカー: 小学館集英社プロ…

マーク・ミラー (著), ジョン・ロミータ・Jr. (イラスト), 光岡三ツ子 (翻訳) 『キック・アス2』&『ヒット・ガール』

『キック・アス』の映画版は1も2もともに日本では好意的に迎えられた。原作になる『キック・アス』も映画とは一味違うバイオレンスさを全開にした作品で面白い内容だった。 今回はその続編の『ヒット・ガール』『キック・アス2』。この順番で読むことを推…

竜田一人『いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(1)』

多くの人間は「当事者」になれない。しかし「当事者」あるいは直接の「目撃者」にならないでは、正確な議論ができないときもある。本書はマンガの潜在力を十分に活用して、僕が見たかったことを「当事者」の視線から見ることを可能にしてくれている。本当に…

5月19日月曜日午後7時トークイベント「マスダさん、さようならw−経済学とコミック世界との出会いー」出演者:田中秀臣、三井智映子、遠藤恭葉、矢野利裕、舞川れみ

表題のイベントを行います。「マスダさん」って誰? というあなたはリフレ派(田中限定)のことをまだ何も知らないw。若い絵心、マンガ心あるお三人を迎え、最新のコミック世界と経済学を語ります!予約はこちらからhttp://velvetsun.jp/next.html#5_19 料…

フォビオ・ムーン&ガブリエル・バー『デイトリッパー』

一年に何回か出会うことができる深みのある良質のマンガ(グラフィックノベル、BDなど)がある。本書はその数少ない出会いをもたらしてくれた。ネタバレにもなるので中味について書くのは遠慮しておくが、人生の断片を何層にも描き、そこから「人生の偉大な…

バスティアン・ヴィヴェス 『ポリーナ』

才能に恵まれた美しいバレリーナである主人公とその厳格な師との20年以上にわたる日々を描いた秀作。いままでのヴィヴェスの作品の中では最も長い時間軸を扱い分量も多い。はじめて動的な意味での「人生」を表現した作品だといっていいだろう。古典を読むよ…

三田紀房『インベスターZ』1巻&2巻

久しぶりに読んだ本格的経済マンガなんだけど、かなり説教臭い。中学生が主人公なのでどうしても物語にヤバさが足りない。荒唐無稽な設定が前記の「説教」で歯止めがかかってマンガ化してない感じ。これからの大化けにぜひ期待したい。ドラゴン桜はわりと好…

ディビッド・スモール『スティッチ』

編集の方から頂戴する。どうもありがとうございます。この作品は掛け値なしの名作です。数年前に原書で読んでて感動したのでブログにも書いたことがあります。以下はそのときの文章のコピペ。http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20100112#p3Stitches(編…

ミロ・マナラ『ガリバリアーナ』

『ガリヴァ旅行記』の主人公が美女だったら? このたったひとつの改変とエロチックな画の力だけでかなり読ませる快作である。絵がともかく綺麗なのがいい。ガリバリアーナ作者: ミロ・マナラ,鵜野孝紀出版社/メーカー: パイインターナショナル発売日: 2013/1…

はだしのゲン』とマンガ規制の経済学

『電気と工事』2013年10月号掲載の元原稿ーー 松江市教育委員会が、マンガ『はだしのゲン』(中沢啓治作)の学校図書での閲覧制限(同書の後半部分)にしたことが、国内で大きな話題をよんだ。今回はマンガと規制の問題について簡単に考えてみたい。 『はだ…

アン・ディアス・カナレス(作)フアンホ・ガルニド(画)『ブラックサッド 赤い魂』(大西愛子訳)

『ユーロマンガ』に連載されていたものが特典を加えて単行本になって登場。再読したが、この動物顔の世界はやはり面白い。舞台が第二次世界大戦後の米国というのも冷戦的な状況をうまく利用していて、物語に厚みをもたせることに成功している。 この『ブラッ…

フレデリック・ペータース『青い薬』(原正人訳)

HIVやそもそも「病」に偏見や心理的にとらわれている人(僕も含むだろう)は必読のフランスコミック(バンドデシネ)だ。 大野更紗さんの推薦文も脳髄を撃つ。感動した、素晴らしい作品だ!大野更紗さんの推薦文より「HIVに感染した女性に恋した、ある男性の…

東京都青少年条例改正案を考える(再録:初出「シノドスメールマガジン」2010年12月1日)

シノドスメールマガジンに掲載されたものを一部修正して掲載。 興味深い動きがあった 。言うまでもなく、「東京都青少年の健全な育成に関する条例」の改正案をめぐる話だ。この問題についての自分の考えを簡単に述べておくのも意義のあることだと思う。 この…

アレハンドロ・ホドロフスキー&メビウス『天使の爪』

まさかの翻訳の登場。ホドロフスキーとメビウスの性的な妄想大全とでもいうべき一書なのか、あるいはそれ以上の何か倫理的なメッセージなのか? それはこの日本のいまの出版事情の中では異例ともいえる大判さらに決して一般的とはいえない中味のアンサンブル…

宮崎駿とメビウス

現実、作品世界の現実、選択アーキテクチャーとしてのアニメ論、『耳をすませば』とマクドナルドの椅子の類似など。いまの僕のアニメ論のすべてを濃縮してもいる。 宮崎駿とメビウスを比較して面白いなと思ったのは、宮崎駿は「人間のいない自然」を優位にも…

メビウス&アレハンドロ・ホドロフスキー『猫の目』

メビウスとホドロフスキーの傑作、フランスマンガ(バンドデシネ)の翻訳の登場です。原正人さんのいつものわかりやすい翻訳と周到な解説が光ます。宮崎駿との関係でも重要なメビウス。これからも『天使の爪』など翻訳が続きでしょう。ぜひ読んでほしい一品…

ジェフ・ジョーンズ(作)&ジム・リー(画)『ジャスティス・リーグ 魔性の旅路』

これは面白い。正義の集団ジャスティス・リーグのメンバーの孤独と「仲間」の連帯への懐疑を中心に、さまざまな掛け合いやドラマを織り交ぜて進行していく。それとメンバーの絵が若くて魅力的なのもいい。日本人の感性にむいてる感じかな? 宣伝の文句にもあ…

マーク・ミラー(作)&J.G.ジョーンズ(画)『ウォンテッド』

映画版の『ウォンテッド』とはまったく違う味わい。かなりな「悪」の誕生を描く物語。結構好きかな。ウォンテッド (ShoPro Books)作者: マーク・ミラー,J・G・ジョーンズ,中沢俊介出版社/メーカー: 小学館集英社プロダクション発売日: 2013/06/26メディア: …

マルク=アントワーヌ・マチュー『神様降臨』

編集の田中さんから頂戴する。どうもありがとうございます、昨日、古永さんの訳になる『ラ・ドゥース』を読んだばかりで、そのときこれを購入しようと思った矢先でした。なんとタイミングのいい(笑)。 マチューのバンドデシネは短い絵の中に複雑で多様な解…

フランソワ・スクイテン『ラ・ドゥース12』

頂戴した作品です。ありがとうございます。『闇の国々』の作者ペアのひとりスクイテンの緑の弾丸蒸気機関車をめぐる寓話。鉄への愛、自然と人工の対比と浸透、そして人生の意義の継承を描いた秀作だ。素晴しい。ラ・ドゥース (ShoPro Books)作者: フランソワ…

ロドルフ・テプフェール『観相学試論』

キャラクター論の古典といっていい著作の翻訳。以前、大学の紀要に掲載されていたものの全面改訳。本書の訳語での「永続的記号」と「非永続的記号」が、連続するコマ(つまりマンガの祖形)でのキャラクター認知の基礎をなすものとなっている。 しかし日本で…

バスティアン・ヴィヴェス『塩素の味』

個人的にフランスのコミック(バンドデシネ)の中で最も好きな作品のひとつの翻訳がついに! こんな素晴らしい作品は世界にもめったにない。ぜひ一読を!塩素の味 (ShoPro Books)作者: バスティアン・ヴィヴェス,原正人出版社/メーカー: 小学館集英社プロダ…

アシュレイ・ウッド(画)&クリス・リアル(原作)『ゾンビvsロボット』(金原瑞人訳)

金原さんから頂戴しました。ありがとうございます。なかなか読む時間がとれなかったのですが、ゾンビ大好き人間として正座していま読破しました。人類滅亡後のさらなる滅亡を描いたスピード感と破滅感たっぷりの秀作です。これ続編がでるんですよね? 人類が…

『はじめての人のためのバンド・デシネ徹底ガイド』

日本で最初のバンド・デシネの入門的ガイド。僕もBD通32人が選ぶアンケート調査というのに協力して、実に穏当なものを選択したw。エロ全開でいってもよかったといまは反省しているw はじめての人のためのバンド・デシネ徹底ガイド (玄光社MOOK)作者: 原正…

映画『遥かな町へ』

谷口ジロー原作をフランス映画で。原作も佳作だが、本編もいい雰囲気の作品。最後の作者のちょい出も面白い 笑。 見ていて心地いい映画。世代的には僕より相当上の話だが、時代の雰囲気も出ていたと思う(よその国だけどどの国もなんか似てるんだなあ、と 笑…

『ユーロマンガ』第8号

名作『ムチャチョ』のエマニュエル・ルパージュの力作『悪なき大地』を冒頭に収録し、今回もハイ・クオリティな作品を多く掲載しています。まもなくバンド・デシネの日本で最初の特集本も出るようですが、そこでも僕は本雑誌の意義を強調するコメントを寄せ…

『三角星』第二号「特集 中村明日美子」

川原和子さんから頂戴しました。ありがとうございます。川原さんの中村明日美子作品のエッセイ「メガネ男子とお父さん、そして力士とかわいい女の子」など、中村作品を論じる本格論文から軽いエッセイ、詳細な作品目録、トリビュートマンガまで内容豊富です…

ニコ・ニコルソン『ナガサレール イエタテール』

2011年3月11日、宮城県の海岸沿いにある実家が津波によって流され、奇跡的に助かった母親と祖母と三人で、自宅の再建を達成するまでの日々を描いたマンガだ。編集から頂戴したが、この作品をまず読めたことが嬉しい。どうもありがとうございます。 祖母は老…

ホドロフスキー&ヒメナス『メタ・バロン一族』下巻

上巻につづき、ホドロフスキーとヒメナスの奇想と奇画の組み合わせが炸裂している本編。そんなにしらみが好きなのか? とかそのトラウマを探りたい気もしますが(笑。メカと人間の肉弾戦?も本作のモチーフにあるんでしょうか? わかりません(笑。 途中なん…