シネマ

映画『NOPE ノープ』

ジョーダン・ピール監督の映画『NOPE ノープ』。映画の醍醐味満喫。これは映画館で見るべき優れた作品。 21世紀版『JAWS 』✕マカロニ・ウェスタン✕いろいろ。

映画『ブレッドウィナー』

90年代のタリバン支配のアフガニスタンをアニメ化した佳作。 child-film.com

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ

観てきたけど、本当に価値観が古典的なので、ある意味で寅さんなんだな、と思いましたw。ダニエル・クレイグと『ナイブス・アウト』でも共演して印象的な演技をみせてたアナ・デ・アルマスのエージェント役がかっちょええので、スピンオフを作ってほしい(笑…

映画『レ・ミゼラブル』

ヴィクトル・ユーゴーの小説『レ・ミゼラブル』からモチーフをとり、小説の主要地のひとつであるパリ郊外のモンフェルメイユで起きた複数の地元の裏の有力者たちと、警察、そして子供たちの過激化の物語。 子供たちが過激化したのは、映画の中で引用されたユ…

映画『娘は戦場で生まれた』

シリアのアレッポをめぐり2011年から16年までの反政府運動の盛り上がりから、その都市の反政府側の浸透、反政府組織の複雑化、さらに政府軍とロシア軍による容赦ない都市攻囲戦、反政府軍の壊滅までを、医師とジャーナリスト(本作の監督)のカップルとその…

映画「スパイダーマン: ファー・フロム・ホーム」

ディープフェイクやフェイクニュース、ドローンの問題性など現代的な側面をふんだんに盛り込んだ作品。劇場公開では見逃したが、なかなか面白い。 スパイダーマン: ファー・フロム・ホーム (字幕版) 発売日: 2019/08/30 メディア: Prime Video この商品を含…

映画『ジョン・ウィック:パラベラム』

忙しくて見れなかった、映画『ジョン・ウィック:パラベラム』を台風くる前に滑り込みで観賞。もう三部作で終わりかと思ってた(笑。どこまでいくのか、そして実は『マトリックス』サーガの一部分でした、という永井豪デビルマン落ちみたいな感じだったら笑…

映画『バイス』

ブッシュ(子)大統領時代の副大統領ディック・チェイニーの20代から直近までの評伝的政治劇。芸達者な人たちが役を固めて、アメリカの現代史の一面を興味深く切り取っている。映画としても皮肉が効いている面もあり、作劇も丁寧で面白い。クリスチャン・ベ…

映画「ジェイン・ジェイコブズ ニューヨーク都市計画革命」

モーゼス(悪)vsジェイコブス(善)。前者はル・コルビュジエの現代建築のメッセージを経済的貪欲と机上の設計主義で読み違えた愚者であり、後者は公共の空間と都市の複雑性に目配りした戦果をあげた社会活動家として描く。 ジェイン・ジェイコブズ ニュー…

映画『草原の実験』&『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』

いろいろな映画を隙間時間を利用してかなり見ているほうなのだが、最近ではこの二作が印象に深いものがあった。『草原の実験』は2014年に完成して、日本公開が2016年だったのにまず驚く。ついこの間、映画館で見るべきかどうか悩んでいたと思ったのに。時間…

映画「サンダカン八番娼館 望郷」

以下の論説で触れられている『サンダカン八番娼館・望郷』をamazonプライムで見る。高校のときに上映会をしていたが見なかったので初見。田中絹代を中心に俳優の演技力が半端ない。傑作。https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B01DIIQ464 映画『主戦場…

2017年に一般公開された外国映画で記憶に残るベスト5

昨年もわりとコンスタントに映画を見たけれどもずば抜けて多くはない。去年も同様のエントリーを書いたので今年は映画の題名程度の簡単なものに。1 『はじまりへの旅』 カルト的な環境の中での家族物語。こういう趣向の映画はかなり好きである。はじまりへ…

映画『ダンケルク』

かなり渋い戦争映画。劇場ではスルーしてamazonでみた。以下の総力戦体制からの福祉国家の誕生を描いた簡潔な論説を読んでみる気になったもの。映画『ダンケルク』を見れば分かる「福祉国家」誕生の秘密 | 「映画を見れば社会保障が丸わかり!」 | ダイヤモ…

映画『キングコング:髑髏島の巨神』

『キング・コング』観てきた〜。コングと人間(美女)との交流は歴代のコング映画の中で最も気迫かな? ただ一番楽しめた。サバイバル的な手法がいい。時代設定がいいかな? ゴジラとの闘いが楽しみ。

映画『グレートウォール』

映画『グレイト・ウォール』。久しぶりに引き当てた駄作w。イェイ! 特に『キング・コング』にも出てたジン・ティエンは久しぶりにみた大根役者。これはひどい。コングでも中国資本の関係か、中国向けなのかしらないが、さっぱり存在感がなかったが、今回は…

映画『パッセンジャー』は『ラ・ラ・ランド』より上の良質の恋愛映画

『ラ・ラ・ランド』は恋愛映画ではない! という怖い人がいるかもしれませんが、その議論はいつかまた(笑)。それはさておき、SF映画の『パッセンジャー』は、予告編が面白い設定(120年かかる恒星間航行中の長期睡眠からアクシデントで目覚めたふたりの男…

2016年に一般公開された外国映画で記憶に残るベスト5

昨年はあまり映画をみた記憶がない。やはりネット論説を週末に書いていたので時間的制約がきつくなったのだろう。それでもほどよくは見ている気持ちにはなっているので備忘録を兼ねて以下に、昨年、一般公開された映画の中からいま記憶に残っている五本の映…

「みんなのための資本論」と99%のための資本主義

経済の話題を理解できる、優れた映画がいくつもある。特にここ数年では、ノンフィクションで見るべきものが多い。大相撲の八百長のメカニズムなど、人間の行動動機を追った『ヤバい経済学』、リーマンショックに揺れる世界を描いた『インサイド・ジョブ』(…

『氷の花火 山口小夜子』

午前中の回だったので空いてるかな、と思ったがほぼ満席。しかも僕ぐらいの年齢層はまだ若い方かも。ちょうど山口小夜子と同じ世代の人たち(ぼくより一回りぐらい上)の女性客が中心。若い女性もちらほら。 作品自体はとてもよく出来ていて感銘するところが…

市川崑『女王蜂』再見&岸惠子『30年の物語』

amazonプライムで『犬神家の一族』がタダだったので久しぶりにみて、そこから市川版の金田一物を続けてみている。市川&石坂コンビの『女王蜂』は30数年ぶりにみたけど、岸惠子の映画なんだな、と思った。今の僕より若い岸惠子はとても美しく撮影されていて…

映画『ピクセル』

80年代のゲームオタクが宇宙人の襲来から世界を守る。パックマン、ドンキーコングなど懐かしいキャラが悪役になって登場w。設定もいたって安直ながら楽しめる一作。ミッシェル・モナハンが綺麗。ピコピコ。

映画『天空の蜂』

近所のシネコンでレイトショー。見ようかどうかとても迷った。日本映画のエンタメではやはりウエットな部分と怒鳴り声的演技とでもいうものがとても気になり満足なものがあまりないので、DVDでみるのが定番だが。平均点以上の出来なのだけど、やはり上記の諸…

大島優子主演『ロマンス』

大島優子主演の『ロマンス』。大島優子は可愛いな。杉作J太郎さんが相方のほうがよりファンタジーだったかも。作品自体は凡庸以下で苦しい出来。大島優子のファンにはなったけど。ロマンス作者: タナダユキ出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2015/07/25メデ…

『アメリカン・スナイパー』

amazonでインスタントビデオ版を購入。一言で表現するのが難しい。冒頭の描写で『ディアハンター』を思い出したが、あの映画の細部を忘れてしまった。いままで無数の戦争映画をみてきたが、中東を舞台にしてこの10数年の米軍の戦争を追った作品には、言い知…

映画『海街diary』

原作を何十回も読んでるけど、映画の方もまた四季の移り変わりと人の生死を描いた名作だと思う。綾瀬はるかのもう若くはない枯れていく感じ。長澤まさみ、夏帆、風吹ジュン、そして大竹しのぶら女優陣がやはりいい。広瀬すずの若さも画面一杯に広がる。いい…

『西部邁と佐高信の思想的映画論 』

中森さんの福田論から、西部邁氏の福田恆存論(現在『日本の保守思想』に収録)を再読して、西部氏の著作をすこしまとめ読みしている。この佐高氏との映画をめぐる対談はかなり面白い。黒澤明の『生きる』の主人公造形への突っ込みが特に興味深い。「自分の…

レッド・ファミリー

映画『レッド・ファミリー』を観に久しぶりに新宿。佳作。悲惨でコミカル。人間の多面性を表現するために、スパイと家族(本物と疑似)を掛け合わせたことも面白さの原因でしょうね。家族も考えてみれば虚構だしね。キム・ギドクが監修しているが、彼の作品…

『90年代狂い咲きVシネマ地獄』(高鳥都共同編集人&企画)

高鳥都さんから頂戴する。ありがとうございます。 狂人映画本です!(笑)。映画そのものとその背景に展開された人間のくだらなさと愚かさと、それを表現する文章の奇天烈の三者のアンサンブルをてんこもりにお届けするVシネガイド。 この本でも登場する嶋村…

『小さいおうち』と『東京家族』

『小さいおうち』、予告編をみたときから楽しみにしていた。とてもいい作品で満足。切通理作の『山田洋次の<世界>』でも話題になっているが、山田映画の二大モチーフである「暴力」と「エロス」 の処理の具合も絶妙に思える。松たか子は相変わらずいい。こ…

『マーガレット・サッチャー』

正直微妙な作品。老人性痴ほう症に直面している理知的な女性の「幻覚」との闘いなのか、それともサッチャーとしての半生を描きたいのか。バランス的には前者に傾斜している印象が強い。後者の描きこみがとても不足して感じた。 政治ドラマ的なものを期待する…