コミック

『マップス・ネクストシート』ほか雑情報

と学会の待ち時間で読む。本当に『マップス』の続編だったのか。60年後の。ほかに『神聖喜劇』をようやく全巻そろえたので後で読むつもり。田中圭一氏の本もなぜか入手。ほかに東京河上会関連で斎藤貴男『梶原一騎伝』と関川夏央『知識的大衆諸君これもマン…

 山田芳裕『泣く男』

見逃していた短編集。初期の太い線の画質から最近の画風に近いものまで満遍なく収録。趣味としては学園ものの「変身男」がいいかな。山田氏の作品はデビュー長編『大正野郎』からのファン。密かに『大正野郎』は同時代的なのでコミックベスト20(多いw)…

 岡崎京子『秋の日は釣瓶落とし』

岡崎京子の作品を久しぶりに読む。これは初出のときに読んだ記憶があるようなないような。しかし受話器(コードついてるの)を顎ではさみながら、両手で他の事やりながら語るような人間関係みたいな感じ。「弟」の書き込みが足りなく、また「妻」や「母」も…

 諸星大二郎『私家版魚類図譜』と恐ろしき四月馬鹿

鳥類よりもいいかもしれない。「深海人魚姫」と「深海に還る」の連続する二編がやはりいい。特に前者はなんだかまったりとした雰囲気もあり秀逸。そうえば『諸怪志異』の文庫版もいつの間にか出ていたのか。私家版魚類図譜 (KCデラックス モーニング)作者: …

 小田切博『戦争はいかに「マンガ」を変えるか アメリカンコミックスの変貌 』

当ブログのいわゆるアメコミ論争で最も勉強になったブログを構築されていた小田切博さんの新刊予告をさせていただきます。NTT出版の内容説明より マンガがマンガとしてあるためにテロと戦争によって自らの表現と対峙した作家たちは、いかにして再び「マンガ…

 中野晴行『謎のマンガ家・酒井七馬伝』

当ブログにご本人から予告*1を書いていただきました中野晴行さんの待望の新作『謎のマンガ家・酒井七馬伝』がついに発売されました。ここ数日、アマゾンをチェックしまくり早々にゲットしていま半分まで読みましたが、(mixi日記のITOKさん経由で知ったので…

 浦島太郎伝説:納得の新(?)解釈

なんで浦島太郎が竜宮城から持ち帰った玉手箱が空で、それをあけると彼は老人になるのか? 子どもの頃から微妙に納得がいかない思いをしていましたが、『アメリカンコミック大全』で紹介もされてたデビッド・マッズケリの「漁師と乙姫」は細部のフォローが効…

 辰巳ヨシヒロ(続)

たんたんと読書経験中。『大発掘』を読む。冒頭の二作がわりと新奇な味。他は毎回同じテイストの劣情とヤケクソの劇画。そのうち『地獄の軍団』も届くと思ふ。大発掘作者: 辰巳ヨシヒロ出版社/メーカー: 青林工芸舎発売日: 2003/09メディア: コミック購入: 3…

 劣情と不能のコミック:辰巳ヨシヒロ『大発見』ほか

コメント欄でITOKさんが『大発見』に触れてましたが、同名タイトルの作品ほか「男一発」「グッドバイ」「いとしのモンキー」なども収録。アメリカアマゾンで第3(4)位を獲得した「東京うばすて山」もここに。この短編はあまりにもストレートに現代の楢山…

 頭も冷えますか靖国マンガ 辰巳ヨシヒロ「男一発」

当ブログや梶ピエールさんのところでも話題になりましたエイドリアン・トミーネやアメリカのコミックに影響を静かに与えている辰巳ヨシヒロの作品をようやく読みました。中学生のときに立ち読みして以来の小学館文庫『鳥葬』(異色ロマン傑作選)。しかしこ…

 増田悦佐イズムw、脱力アラン・ムーア、ジョージ・ルーカス

さてここ半年ばかり、ワンダーウーマンの最新作を読んでから突然、アメコミ熱が冷めてしまい、その後に続々きた研究書、コミックそのものを積毒状態にしていた私ですが、いま最終段階の論文が終わったら少しだけ、ほんの少しだけお時間をいただいてコミック…

 ワンダーウーマンが月に代わっておしおきよ?

のはずはないが、Greg Rucka原作のワンダーウーマン一応大団円(続きがあってもフォローしていないオレがいるw Wonder Woman: Mission's End作者: Greg Rucka,Ron Randall出版社/メーカー: DC Comics発売日: 2006/07/19メディア: ペーパーバックこの商品を…

 マウス

マウス―アウシュヴィッツを生きのびた父親の物語作者: アート・スピーゲルマン,Art Spiegelman,小野耕世出版社/メーカー: 晶文社発売日: 1991/08/01メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 13回この商品を含むブログ (29件) を見る スピーゲルマンの『マウス』…

 げんしけん、続くw

意表をつく新商法w げんしけん (9) 限定版作者: 木尾士目出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/12/22メディア: コミック購入: 5人 クリック: 95回この商品を含むブログ (393件) を見る

 アート・スピーゲルマン『消えたタワーの影のなかで』

消えたタワーの影のなかで作者: アート・スピーゲルマン,小野耕世出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2005/09/10メディア: 大型本 クリック: 12回この商品を含むブログ (10件) を見る 作者がテレビ出演を依頼されて、まったくテレビの編集に合わない発言で放…

 ポール・オースター/デビッド・マッズケリ『シティ・オブ・グラス』

シティ・オブ・グラス (Graphic fiction)作者: ポール・オースター,デビッド・マッズケリ,Paul Auster,森田由美子出版社/メーカー: 講談社発売日: 1995/10/17メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 4人 クリック: 54回この商品を含むブログ (14件) を見る …

  いろいろ来てるけどワンダーウーマン

Greg Ruckaのワンダーウーマンは面白いね。前にご紹介したものの続き。ハーデスの死の国に乗り込むワンダーウーマン。ただし先のメドューサとの戦いで失明状態。本書の前半は並行する別のストーリーを収録。前作の方がかなり上回る出来ではあるが。☆☆☆。続き…

 ダニエル・クロウズ

プレスポップ刊行のダニエル・クロウズの二作品『ゴーストワールド』と『LIKE A VELVET GLOVE CAST IN IRON 日本語版 』を読む。まあ、お上品な嗜好の人は特に後者は読まないほうが吉。トミーネが精神的な不快感をベースにしているとすれば、クロウズはそれ…

 アラン・ムーア祭りはじめますた

とりあえず翻訳あるのから。 バットマン:キリングジョーク―アラン・ムーアDCユニバース・ストーリーズ (JIVE AMERICAN COMICSシリーズ)作者: アラン・ムーア,秋友克也,石川裕人出版社/メーカー: ジャイブ発売日: 2004/03メディア: コミック購入: 4人 クリッ…

 月館の殺人(下)

月館の殺人 (下)??作者: 綾辻行人,佐々木倫子出版社/メーカー: 小学館発売日: 2006/07/28メディア: コミック購入: 1人 クリック: 27回この商品を含むブログ (236件) を見る正直、微妙。上は面白かったのだが、ネタばれになるので詳細は省略。 ついでにアラン…

 アメコミのラブロマンスもの

げげげ、なんじゃ、こりゃあ。60年代のラブロマンスものを多数収録したもの。増田本の主張のひとつの女性を描けないアメコミという話を検証するために購入。しかし増田本の主張以前に、これは読むに耐えないなあ。いっさいヒーローは出てきませんのでその意…

 スパイダーマンの図鑑

病膏肓に入る。スパイダーマンの図鑑に手を出すなり。原書は2000円だが、翻訳のほうはその三倍以上で古書が出回っている。買えんよ、そんなのw。当然、原書である。アメコミの高コスト構造をどうにかしてほしいな。しかしカラーと上質紙の世界になれてきた…

 スパイダーマンの結婚

これはかなり面白かった。映画だとキルスティン・ダンストが演じたM.J(メリー・ジェーン)の家族や仕事、友人関係を丁寧に描くことで作品に深みを与えることに成功している秀作。特典の実写版結婚式も微苦笑を誘う。映画のほうもこんな感じでハッピーエンド…

 吾妻ひでお『うつうつひでお日記』ほか

読了って感じ。最後のインタビュー読んでて、自分のニート(政府定義)時代を思い出す。毎日のように散歩=図書館、本屋通い。あのころが一番小説を読んでいたけど最近はほとんど読む時間がとれない(ーー;)。この『うつうつひでお日記』自体は後半がいい…

 BASTARD!新刊

24巻読んだよ。ともかく読めればそれでいいのだ。贅沢はもういわないからw二年に1冊は確実に出してほしい。ちなみに終わる気配を私はまったく感じないw

 デスノート DEATH NOTE 最終巻

最終巻をなんとなく購入。連載の最初と最後のほうは読んでいたのですが、この最終巻のほうはほぼ読んでいた内容。まあ、評価としては第一部(部になってたかどうかは忘れた)の最後で終わりにすべきだったでしょうね。とりあえず冗談でしばしば援用させても…

 DAREDEVIL:BORN AGAIN にみる参入障壁としてのアメコミのチームワーク?

キャラ別アメコミでは最もなじめるのがこのデアデビルものかな。昨日、DVD生活でとりあげたシン・シティの作者でもあるフランク・ミラーがここでも原作を提供した代表作のひとつ。デアデビルである盲目の弁護士マット・マードックがここでは元恋人に身元を売ら…

 トミーネ祭り実施中

増田本のネタ的発展をめざすコーナー(あるいは1年でどこまでアメコミ含めたコミックの達人になれるかを冗談半分で試すコーナー)です。 エイドリアン・トミーネの初期作品集の『32 STORIES』を読みました。これは『SLEEPWALK』に比べると格段に読後感すっき…

 フランク・チョウの SHANNA 

同じ作者の手になるLiberty Meadowsシリーズがくる前に、最新作を読む。これは面白い。サバイバル恐竜ファイトとでももうしましょうか、単純な筋立てで破滅的な環境下におけるヒロイン像を描写するのに成功してます。わかりやすくメリハリもあって面白い。☆☆…

 池上遼一『スパイダーマン』

このスパイダーマンはすごいなあ。池上氏のインタビューを読むと、『ガロ』的世界とアメコミ→平井和正的世界+アメコミ陰影を脱色してかっこよさだけ採用→和製スパイダーマンの完成 ということですね。ものすごい迫力だね。連載されていたときは読んでたはず…