田中秀臣の最新経済ニュース(2019年10月号)「グローバリゼーションの光と闇と消費税」in Schoo

田原彩香さんと田中秀臣でお送りする毎月第一木曜日のこのネット講義。すでに三年目に突入して同じ調子で今回もやってます 笑。

以下がメニューでした。多くの方にご覧いただきまたコメントも多く感謝です。

おためし受講もできますので確認してみてください。

https://schoo.jp/class/5309

 

今回とりあげた話題は以下でした。

1 香港デモと中国経済
2 環境活動少女
3 消費増税と若者の海外移住と外国人労働者
4 グローバリゼーションと文化の創造的破壊
5 あいちトリエンナーレ問題
6 関電問題の闇

 

また来月もよろしくお願いします!

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文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」10月1日火曜コメンテーター出演:消費増税初日と日本社会のふたつの懸念

消費増税初日に出演でした。消費増税の日本経済への影響についてはすでに二通りのシナリオ(急激な悪化、緩やかに低迷)をあげていて、両方とも国際環境に依存しますが、いまのところ後者のシナリオが強いと思います。僕は消費増税ハルマゲドン的な主張には反対していて、消費増税の悪影響を打ち消す政策は十分にとれると思っています。だがそのための政治的な決断が、最近はかなり財務省的な発言をする安倍総理に「しか」期待できないところに、最大の不安定要素があります。安倍総理のマクロ経済政策観は僕らリフレ派と大差がないのですが、しかし彼は政治家ですから、政治のなかの連立方程式の解として決断するところが最大のわれわれとの違いです。政治家ですからそれは批判しても始まらない。そこになんともいえないものを感じるのも事実です。ポスト安倍や野党を含めて壊滅的ですね。消費増税での「低迷」と政治的選択肢の限定というふたつが、これからの日本社会を大きく拘束するのではないか。そこに懸念を持っています。

 

おはよう寺ちゃんでもこの問題意識で話しました。

 

本日のニュース解説メニュー
○消費税きょうから10%
○日銀 追加緩和の手段 議論
○中国建国70年 習外交 攻めから守りへ
○中国 成長スピード鈍化
台風18号

今週の放送は以下から聴けます。
http://radiko.jp/#!/ts/QRR/20191001060000
また生放送はラジオの他、radikoでも聴けます
http://radiko.jp/#!/live/QRR

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消費税増税と若者の海外流出についてabemaprimeに出演(9月30日)

掲題のテーマで出演しました。このタイミングで増税について話せたこと感謝します。

ひろゆきさんとは初めてでしたが、とても理知的な方で、また増税や日本社会の行く末についても憂慮されている姿勢は共感しました。またかなり前からネットでは交流のあった国際政治学者の三浦瑠麗さん、編集者の箕輪厚介さんとも話を交わすことができて楽しかったです。平石直之さん、カンニング竹山さんらMC側の方々ともいつもながらサポート&まとめありがとうございました。

 

内容は記事になっています。

times.abema.tv

 

ゲストでチェキw

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「消費税増税“混乱の瞬間”ルポ!」にコメントin『夕刊フジ』9月30日掲載

消費増税について事実上後押しするようなメディアが新聞では大半のなかで、「夕刊フジ」さんは一貫して批判的な姿勢を貫いているまれなメディアで、いつもありがたく思ってます。今回も増税前のタイミングでコメントを紹介していただき感謝します。

しかし消費増税と軽減税率は愚策の典型ですね。

 

紙面はすでにネットで同日に掲載されています。ご一読ください。

www.zakzak.co.jp

MMT(現代貨幣理論)は、長期デフレをもたらした日銀理論の同族です(MMTへの批判的まとめ)

MMT(現代貨幣理論)については、まったく賛成できない。

政策的な理由は以下の僕の論説を参照のこと

MMTは論理的に破綻…それを攻撃して消費増税強行に世論誘導する財務省は悪質 | ビジネスジャーナル

理論的には野口旭さんの一連の論文を。

MMT(現代貨幣理論)の批判的検討(1)─政府と中央銀行の役割 | 野口旭 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

MMT(現代貨幣理論)の批判的検討(2)─貨幣供給の内生性と外生性 | 野口旭 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

MMT(現代貨幣理論)の批判的検討(3)─中央銀行無能論とその批判の系譜 | 野口旭 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

MMT(現代貨幣理論)の批判的検討(4)─クラウド・アウトが起きない世界の秘密 | 野口旭 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

MMT(現代貨幣理論)の批判的検討(5)─政府予算制約の無用論と有用論 | 野口旭 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

MMT(現代貨幣理論)の批判的検討(6完)─正統派との共存可能性 | 野口旭 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

MMTをフォーマルに整理したものとしては以下を参照のこと。ただし松尾匡論文は上記

、野口論説をきちんと読んで補正しないとダメ。それが理解できない&わからない人はMMT自体への発言は厳にやらない方がいい。知らないで無知さらすのは自由だし、機械仕掛けのオウムのようにわからない言葉を繰り返すのはみっともないと思うけど(笑

松尾匡
「反緊縮のマクロ経済政策諸理論とその総合」
http://dlisv03.media.osaka-cu.ac.jp/il/meta_pub/G0000438repository_24346063-119-2-9
Menzie ChinnのMMT for the ADD
http://econbrowser.com/archives/2019/03/mmt-for-the-add

なお「雇用保障」での物価コントロールはノア・スミスの批判で十分だと思います。


ノア・スミス「現代金融理論 (MMT) を詳しく検討してみると」(2019年3月31日) — 経済学101

https://econ101.jp/%e3%83%8e%e3%82%a2%e3%83%bb%e3%82%b9%e3%83%9f%e3%82%b9%e3%80%8c%e7%8f%be%e4%bb%a3%e9%87%91%e8%9e%8d%e7%90%86%e8%ab%96-mmt-%e3%82%92%e8%a9%b3%e3%81%97%e3%81%8f%e6%a4%9c%e8%a8%8e%e3%81%97%e3%81%a6/

 

これぐらいを理解しないで、専門家に「MMTを理解してない」とか「MMTが素晴らしい」とわざわざコメントする匿名は悪意の人物で、まず経済の話以前にその行為自体を反省すべきだと思います。

稲葉振一郎『銀河帝国は必要か?』

ご恵贈頂きました。ありがとうございます。本書は『宇宙倫理学入門』の諸論点をかなりわかりやすく解説すると同時に、アシモフの一連の作品を中心的な素材にしている点で作品論としても面白い内容です。

個人的にはアシモフの作品論はもっと刈り込んで簡潔にできたと思います。あとこの本、誰が読むのか、その読者層がいまいちわからず 笑 僕らみたいなSF好きが対象ならわかりますが、SFをしらない層にはかなりハードル高そうです。まあ、ちくまプリマー新書も岩波のジュニアもわりと高度な内容のものに名著が多いですが。

 

今日の監視社会化の問題との類似性、あるいは「心」とは何か(本書では「動かないものに心はいらない」という論点もあり刺激的です)、または距離の暴虐の中での人類文明の在り方についてなどこちらは異文化の「こころ」の距離とも解読可能かと思いますが、いろいろ面白い本です。

 

銀河帝国は必要か? (ちくまプリマー新書)